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【書評】光と物質の不思議な理論(R.P.Feynman)

今回は最近読んだ本を忘れないように感想をまとめておく,書評回にしたいと思います.自分は読みっぱなしのことが多いですが,たまにはまとめておいてログをつけていこうと思います.と言っても,書評というよりは読書感想文に近いと思います. 今回はR.P.Feynmanの「 光と物質の不思...

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2016年8月18日木曜日

サマチャレ1日目!

サマーチャレンジはじまる!
いよいよサマーチャレンジ1日目が始まりました.今日は盛りだくさんの内容だったので長くなってしまいそうです.今日の主なコンテンツは以下の通り.

  • 機構長のお話
  • 梶田さんの講演「ニュートリノ振動の発見」
  • 増澤先生(KEK)の講義「加速器入門」
  • つくばの研究施設ツアー
あまり多くを語ることは不可能なので概略を書こうと思います.

山内機構長のお話
主に加速器の役割についてのお話でした.加速器には大まかには2つの役割があり,一つは宇宙の起源についての研究,もう一つは物質の構造を解き明かす研究であるとのことです.
前者は高いエネルギー領域を作り出すことで未知の領域に踏み込み,初期宇宙で支配的だった物理法則を研究することで,宇宙の起源そのものに迫ろうとする試みです.一方後者は加速の過程で生じる放射光などを,微細な構造を見るための「光」として用いて様々な物質の構造の理解,機能の理解を目指す流れです.こちらは新技術・製品の開発に重要でなんでも最近はチョコレートの構造解析をして,美味しいチョコレートの構造なども研究されたとか...
以上の話も大変ためになるものでしたが,私にとって一番心にきたのは,「何よりも楽しんで研究してください」の一言です.煮詰まってきたり,焦ったりすると必死になりすぎて楽しむことを忘れてしまいがちですが,科学は楽しむものであるという本質的なことに改めて気付かされました.
ニュートリノ振動の発見
2015年度にノーベル賞を受賞された梶田先生による講演がありました.テーマはニュートリノ振動の発見というもので,先生がD論を書く前後の研究のころからニュートリノ振動という現象の発見に至るまでのお話でした.
最初,陽子崩壊を研究されていた先生は,この陽子崩壊を確認することはできなかったものの,その解析の時に大気ニュートリノのうちμニュートリノが電子ニュートリノよりも圧倒的に少ないことに気付いたそうです.
この時に,この現象を見て見ぬ振りをせず原因を突き詰めようとしたことがニュートリノ振動の発見につながったのだと振り返られておりました.先生の話を聞くと,多くの人が信じているからといってそれが正しいとは限らないということがよくわかりましたが,同時に何を信じていいのか分からない大変さが伝わってきました.
ご自身が発見までの過程を語るということはあまり経験できることではなく,非常に刺激的な講演でした.
加速器入門
共通講義の第一回目のテーマは加速器入門でした.そもそも,学部,またはそれ以前の授業で「加速器」についての勉強をすることはほとんどありませんでした.強いて言うなれば,大学入試の物理でおなじみのサイクロントロンとベータトロンの問題を解いことぐらいでしょうか.
この講義ではまず加速器全体の発展の歴史を追う形で授業が始まりました.Cockcroft-Walton加速器などの静電型の加速器から現代のシンクロトロンのコライダーに至るまでの歴史を丁寧に追っていて,人類の苦労の過程を知ることができました.また,位相安定性原理や強収束の原理のなどの理論的なバックグラウンドの説明もあり,シンクロトロンを成り立たせているものについて知ることができました.そのため,この後のSuperKEKBの見学がわかり易かったです.(加速器に関してKEKのサイトを参考にしてください:https://ilc.kek.jp/Lectures/TakataAcc.pdf)
つくばツアー
主にはPhoton FactorySuperKEKBBelle2の施設見学をしました.施設間はバスで移動だったので楽でしたが,ただの路線バスを貸し切っていたため早く乗らないと座ることができないという悲劇が起こりました.いやいや,バスに乗れただけ本当にありがたいです.また,施設内は非常に広く結構歩きました.しかし,万歩計などは持っていなかったので定量的な議論はできないことをお許しください.とにかく,疲れました.荷物はドミトリーに置いてくるべきだった...トイレ休憩もなかったので結構大変でしたがこれらの困難を微塵も感じさせない素晴らしさでした.写真を見るのと実際に目で見るのでは迫力が違うのはもちろん,手作り感溢れる箇所なども目に止まり人が作ったものであることを実感しました(当たり前だけど).自分もここに関われたら楽しいだろうなと思いました.
施設の説明は長くなりすぎるので何枚か写真を添付して終わります.

SuperKEKB
カーブしているのがよく分かります.ここで放射光を発するのですね.
レールの直線部分.ずっと円形なのではなく多角形のようになっているとのことです.
6極電磁石.色収差を補正するような役割があるそうです.

Belle2

上から.メンテナンス中で中で人が作業しています.
下から.大きいです.隣に人が写っています.でもBelle2でこれならATLASって...
最後まで読んでくださった方,ありがとうございます.興奮気味だったので長々書いてしまいました.では,今日はこの辺で.また明日も更新します(多分).よかったらみてください.

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