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【書評】光と物質の不思議な理論(R.P.Feynman)

今回は最近読んだ本を忘れないように感想をまとめておく,書評回にしたいと思います.自分は読みっぱなしのことが多いですが,たまにはまとめておいてログをつけていこうと思います.と言っても,書評というよりは読書感想文に近いと思います. 今回はR.P.Feynmanの「 光と物質の不思...

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2016年8月24日水曜日

サマチャレ9日目!

すいません.更新が遅れていました.(8/26日は)サマチャレ9日目でした.今日の予定は
  • 口頭発表
  • ポスター発表
  • 閉会式
でした.ついに最終日でしたが,前日からの不眠不休の考察・発表準備のために体調はすぐれませんでしたが,何としてもP07班の発表を成功させたい一心で動いた1日でした.

いま,写真を振り返ってみるとほとんど何も撮っていないことが判明しました.動き回っていたので写真撮ってる暇なかったんですね...
でも,思い出すといろいろな人からの意見・批判などでズタボロにされた記憶がよみがえてくるので,そのことをつらつらと書きたいと思います.

さて,9日目の幕開けは口頭発表です.直前まで徹夜で準備をしていたため,発表の始まる1時間くらい前にようやくシャワーを浴びることができました.ここで他の班員は仮眠をとったりしましたが,自分ともう一人の前で立って発表する担当は直前まで練習しました.

前日の班内での模擬発表会で,TAの方と先生にスライドに文字が多すぎるといったことや写真などの配置の工夫についての助言をいただいていたため,自画自賛にはなりますがレイアウト面では群をぬいてよくできていたと思います.また,チームを二つに分けて考えられる質問を互いにぶつけ合い,対応策を検討しました.発表の順番はくじ引きによって決められましたが,自分たちは午前の部のちょうど真ん中でした.みんな眠くなってくる頃なのであんまり質問などは来ないのでは...なんて思っていました.ですがいざ自分たちの番に来ると,直前に休憩を挟んでいたために逆に一番元気になるところでした.手厳しい質問を覚悟して壇上に登りました.

さて,その前に他班の感想をまとめておきます.他班の研究内容を知ることができるのはこの場だけであったので非常に興味深く,新鮮なテーマが多かったです.特に物質生命コースの内容は普段触れないテーマでしたので勉強になりました.しかし前日の徹夜が響いて誠に失礼な話ですが眠気との戦いになってしまう発表もありました.そこが少し残念でした.それと,総じて他の班に対して感じたのは専門性が高いということです.普段からそのことを研究していたり,ある程度高度な内容まで習得している人ならともかく,初めて聞く手法で何かを検出していても,正直何を質問すればいいのかもわかりませんでした.そのデータはどうしてずれたのか.とか,説明がなかったところの説明を求めると言った類のことが多かったです.また,テーマ自体が「〇〇を用いて××を検出する」といった類のものが多く.検出できて,文献値などとも一致しています.めでたしめでたし.といった内容も多く感じました.それは自分たちの班のテーマが結果はよく知っていることを検証して,哲学的な考察(量子力学の構造を探る)に持ち込むところまでがテーマだったためかもしれません.

さて,自分たちの発表ですがまずはもう一人が光速度測定についての説明をしました.このところは有効数字が高いということでたくさんの質問が来ると予想されていた難所です.彼も緊張からか練習よりも時間が多くかかっていたような気がしました.しかし,堂々と見事にやりきっていて自分にバトンタッチしてくれました.まずはあまり本筋ではない水中の光速度測定はさらっと説明して,メインテーマである量子力学の基本構造の検証についての発表をしました.ここは自分も毎晩考察して,考えを練ってきただけあって自信をもって説明できました.しかし,実験から導かれることのみを使うということにこだわりすぎて馴染みの記号などを少なくしてしまったため,よく勉強している人からはこの辺で突っ込まれたりしました.

最後に再びもう一人にバトンタッチして,しめてもらいました.時間ぴったりで終わりました.その後,質問を受け付けると意外にも光速度についての質問は少なく,ほとんどがダブルスリット実験のものでした.これに答えるのは自分が担当だったためにかなり忙しかったです.干渉縞の幅が変わって見えたのはなぜかという.当初スライドで言うはずだったことを聞かれてしまい,焦って言い忘れていたことに気づきました.重要な情報だったので,これは質問してもらえて助かりました.そのほか,信号が単光子とみなせる理由について聞かれたのですが,これはスライドを用意していたははずが,テンパってしまい見つけられませんでした.そこで無理やり口で説明しましたが,テンパったのが目に見えていたと思うので,これはかなり失敗でした.後でTAの方から,こういう状況では,質問の内容を確認の意味で繰り返すと見せかけて時間を稼ぐというテクニックを教えていただきました.でも,これを知っていても自分はテンパっていたと思います笑
やはり発表には練習と経験が必要ですな.

さて,口頭発表が終わったところで先生とTAさんは先に帰るというこので挨拶に行きましたが,その時先生が初めてにしては上出来だと言ってくださり,かなり辛い実験の毎日でしたがとりあえず,小さな目標は達成されました.自分たちがそれなりにうまくできたのも先生がとにかく自分たちにやらせてくれたのといい意味でめちゃめちゃ厳しかったからだと思います.厳しく注意してくれる存在のありがたさを実感しました.

その後はポスター発表です.今度は口頭発表よりも近い位置で質問される上に時間も十分にあるので,より深い議論になることが予想されていました.
自分たちのポスターにはたくさんの人が見にきてくださりましたが,その分手厳しい質問も来ました.ただでさえ人でが足りないなか,寝不足から寝過ごしてしまう者,他班に遊びに行ってしまう者もいて,少ない人数で質問をさばいていかなければならず,大変でした.特に,単光子の判定のところではかなり質問が来てコテンパンにされそうになりながらも,なんとか納得してもらえました.こちらの実験では,幾つか動画も用意していたためにかなり盛り上がりました.
このテーマについては量子力学の教科書に必ず書いてあるものの十分に解説が書かれていないことから,わかりにくいと思っていた人も多かったようですが,この発表を聞いて非常に分かりやすかったと言ったことや,あるスタッフの人からも非常に興味深かったというお言葉をいただき,非常に嬉しかったです.チームで徹夜した甲斐がありました.

水中の光速度測定の方では致命的なミスがあることを指摘され,コテンパンに言われました.ズタボロになりました.が,ミスはミスですし,本物の研究発表ではないということを持ち出せば,いい勉強になりました.といっても,水の温度の文献値に気圧パラメータが抜けてるから何を比較の意味がないというものでこちらの完全な落ち度でした.苦し紛れに,気圧の変化でそこまで変化はしないと考えられますと答えたところ,考えられるから調べないのはサイエンスではないと言われました.全くもってその通りで,以後の人生では2度とこのような醜態を晒さないように気をつけたいです.
さて,その間にもう一方の光速度測定の方もデータの取り方が恣意的じゃないかといった指摘を受けて,かなり苦しんだようですが,なんとかポスター発表も乗り切ることができました.
対応が忙しかったためにあまり他班のポスターを見に行けなかったのが残念でした.

さて,ポスター発表の後は修了式でした.長くなってきたのでさらっと書いてしまうと,修了証書をいただき,記念撮影をしました.
修了証書
また最後に機構長から「研究開発」についてのお話がありました.研究とは世界で誰も知らないことを知ること,開発とは世界で誰もできなかったことをできるようにすること.だから研究者はいつも世界で1番を目指さなければならない.といったお話でした.

これでサマーチャレンジは締めくくられたわけですが,振り返ってみると本当に多くの出会いをしました.サマチャレに来なきゃ絶対に知り合うことのなかった人間が出会ったという,この偶然を大事にして,これから先世界一を志す仲間として切磋琢磨し合えたらいいなと,決意を固めたサマチャレでした.

また,KEKに研究者として帰ってこれたら嬉しいな.と心のどこか片隅に置いておいてこれからも修行していきます.

高エネルギー加速器研究機構


ちなみにこの後はみんなでお疲れ様会をしました.
ルービックキューブや大道芸やジャンケン大会など,非常に盛り上がりました.

長くなりましたがサマチャレについてはこれで終わりです.このブログはこれからも更新していきます.不定期になるとは思いますが物理,数学などの記事や学生生活,院試関連なども書いていけたらなと思っています.

これからもぜひ足を御運び下さい.

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