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干渉縞の数学的な説明
サマチャレの演習でダブルスリットの実験を行い干渉縞が見える見えないから量子論の基礎的な枠組みを推測してきました.かつての投稿で予告した通り干渉縞の見える理由を数学的に解説します.
今回は数学的な内容なので普段,数学を使ってない人には難しいかもしれないですが,物理学科の学部生がやる初等的な量子力学の内容はこんな感じですっていう空気感はつたわると思いますので,ぜひ目を通してみてください.
では早速見ていきましょう.
まず,光子の状態ベクトルを|ψ⟩で表します.この時光子の存在確率は波動として広がっていき二つのスリットを通ります.二つのスリットを通ると状態ベクトルは二つの状態に展開できます.適当にスリットに1,2というインデックスをつければ|ψ⟩=1√2[|ψ1⟩+|ψ2⟩]で表されます.ここで√2で割っているのは二つのスリットに入る確率は当確率と仮定しているからです.
ここでスクリーンの位置xで光子を観測するという行為は左からブラベクトル⟨x|を作用させることで実現されます.
スリット1からでた光子が位置xで観測されるとき,その間は平面波として伝わるとみなせます.なぜなら光子はその間で一切の操作を受けず,自由場で運動しているとみなせるからです.よって各スリットからの光子を位置xで観測する時の確率振幅は⟨x|ψi⟩=Aeikiri(i=1,2)が成立します.
位置xで光子が観測される確率は確率解釈に従って,確率振幅の2乗で表されるからp(x)=|⟨x|ψ⟩|2=12|⟨x|ψ1⟩+⟨x|ψ2⟩|2 ∴p(x)=|A|22|eik1r1+eik2r2|2 ∴p(x)=|A|2[1+cos(k2r2−k1r1)]が成立する.
上の式のcosで書かれるところが干渉を表しています.ある位置で観測される光子の個数はその位置での確率に比例します.よって,cosが最大になる時最も光子が多く,最小になる時に光子が少なるのです.この個数のムラが干渉縞として観測されます.
次にダブルスリットのそれぞれに偏光板をつけて光子が通ったスリットをトレースできるようにしたらどうなるのでしょうか.光子はスリットの状態に加えて偏光の状態も持つので光子の状態ベクトルは次のように表せます.|ψ⟩=1√2[|ψ1⟩|⊥⟩+|ψ2⟩|∥⟩]先ほどと同じ手順で確率を位置の関数として求めます.p(x)=|⟨x|ψ⟩|2=12|⟨x|ψ1⟩|⊥⟩+⟨x|ψ2⟩|∥⟩|2 ∴p(x)=|A|22|eik1r1|⊥⟩+eik2r2|∥⟩|2ここで各偏光状態は独立なので⟨⊥|∥⟩=0が成立します.よってp(x)=|A|2です.今度は先ほどと違ってcosの項が現れません.これはいたる所一様な確率分布を示しています.よって今回は干渉縞は現れません.
さて,次は偏光板が2枚の時のケースですが,これはまた次の機会にしましょう.偏光板をある角度で2枚重ねると干渉縞が復活するのですが,次回はこれを見ていきます.
では次の更新をお楽しみに.
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