まずはpythonの整理
最近,Ubuntuの設定やら何やらをしていたのだがPythonの環境がデフォルトで整っていたのでOpenCVでもやってみようかと思い立ち,ちょっとセットアップしてみた.
OpenCVは画像の認識とか加工とかをするライブラリです.最近,機械学習にも興味のあるぷりおにはちょうどいい機会だと思ってやってみました.
Ubuntuでやろうかと思ったけど,そっちはCUIベースでの操作を主にやっているのでMacでやってしまおうってことでMacに構築した.さてまずはpythonだが,macにもpythonは初めから入っているぽい.でも,かつていろいろいじくったせいでpythonが重複していろいろなところにいる!かつての自分は何もわかってなかったのかということを再認識しつつ,まずはせっかくだから綺麗にしちゃおう.
とりあえず一回
$brew uninstall python
を走らせる.あれ,まだpythonがいらっしゃる.ここで
$brew list
でpython関係のものを調べてみると,なんかたくさん出てきた.なんかpython導入したこと忘れてその都度入れてたのか...あほか.
結局何回か
$brew uninstall python
でhomebrewで導入したpythonは全消去.続いて,/usr/opt/以下のディレクトリを覗いてみた.
pythonがいた.
ということで,こいつも消した.
$port uninstall python
ってか,何でmacportでもhomebrewでも入れてんだ.あほか.って,昔のぷりおは意味もわからず他の人のブログのコマンドをコピペするだけの存在だったので...
だからこのあたりのことがわかるようになってきたのは何だかんだいって,linuxいじりだしたからなのかなあ.普段物理で使うのは計算だけだからあんま気にしてこなかったんですよね.
さて,これでpythonはみんな消えたかな...?っということで
$python
と打ってみた.pythonがいた...まだpython shellみたいなやつが立ち上がる...
どうもこいつがmac標準搭載のpythonっぽいが...まあいいか.消そう.ってことで居場所を突き止める.
$which python
すると,いらっしゃるディレクトリが返って行きたのでそのパスに対して
$ sudo rm -r (そのパス)
で葬った.すべてのpythonはいなくなった.
Pythonの導入
気をとりなおして一からpythonの環境を作っていきます.python3にすべきかpython2.7にすべきかは迷うところでしたがpython2.7は安定していて相変わらず人気が高いとの噂を耳にしたのでpython2.7にしてみましょう.
この場合は
$ brew install python
でOKです.が,なんかいろんなパッケージとかオプションとかあるので
$ brew info python
$ brew search python
などで情報を調べてからの方が良いでしょう.確認の意味を込めて
$ python
を打つと.pythonは復活していました.
Numpyの導入
OpenCVを使うためにはNumpyが必要みたいです.これはpythonの数値計算用のライブラリです.pythonのパッケージですから,pythonのパッケージ管理システムであるpipを使います.
$ pip install numpy
でNumpyの環境が整いました.
なんかもう疲れたので本題のOpenCVを導入する話はまた次回.
注目の投稿
【書評】光と物質の不思議な理論(R.P.Feynman)
今回は最近読んだ本を忘れないように感想をまとめておく,書評回にしたいと思います.自分は読みっぱなしのことが多いですが,たまにはまとめておいてログをつけていこうと思います.と言っても,書評というよりは読書感想文に近いと思います. 今回はR.P.Feynmanの「 光と物質の不思...
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2016年9月14日水曜日
2016年9月10日土曜日
Ubuntu 入門3(sshで通信する)
sshでmacと通信・リモートログイン
ここまでのセットアップでCUIログイン,$TERMの値にに応じて日本語・英語の切り替えを行ったりができるようになりました.ここで,Ubuntuに自分がメインで使っているmac book airからリモートログインできたら便利やなあと思ってsshを利用してログイン,及びファイルの送受信を行いってみたいと思います.
まずはイマイチよくわからなかったのでとりあえずいきなりsshコマンドを使ってつないでみました.
まず,Ubuntuの方で
$ ifconfig
を実行します.すると,自分のローカルIPが分かったのでそれを用いてログインしてみます.今度はmacから
$ ssh [user-name]@[ip address]
を実行.すると接続を拒否されました.さて何でだろうと思ってUbuntuの方をのぞいていったわけですが...
そこで思ったのが,そもそもsshのデーモン動いてんのか?ってことでこれを確認します.sshのデーモンの名前はsshdです.こいつがプロセスにいるかどうかを見てみましょう.
$ ps -A | grep sshd
を実行します.ps -Aでプロセスの一覧を検索して,その中からgrep sshdでsshdという文字列が入っているものを抽出します.すると...
何もでてこない...
デーモンがいらっしゃりませんでした.ってことでデーモンを起動させます.sshdの起動は絶対パスを使わないといけないっぽいので
$ sudo /usr/sbin/sshd
を実行します...あれ,sshdがない...入れ忘れ...?ってことで
$ sudo apt-get openssh-server
を実行してsshdが使えるようにします.そこで気をとりなおして
$ sudo /usr/sbin/sshd
を実行.今度は無事に実行されたようです.念のため
$ ps -A | grep sshd
で確認すると.今度はsshdが起動しているのが確認できました.sshdを止めたり再起動させたい時とかもあると思うのでそれについても調べてみた.sshdの情報は/etc/init.d/sshに入っているみたい.サイトによっては/etc/init.d/sshdとなっていましたが,自分の環境では/etc/init.d/sshにありました.なんの違いがあるのかはイマイチよくわかりませんでした.さてここで,
$ /etc/init.d/ssh [start/stop/restart/status]
を使うと,sshdの状態みたり再移動させたりができました.ということでデーモンが起動したのでもう一度macからログインしてみます.再び
$ ssh [user-name]@[ip address]
を実行.今度はパスワードを要求され,入力すると無事にログインできました.今後このUbuntuは計算用のサーバーとして使っていきたいなあとか思ってなんですけど,いちいちUbuntuを立ち上げたりするのはめんどいけど,だからと言って起動させっぱなしも電力食うから嫌.ってことでまずラップトップを閉じていても起動などができるようにします.この設定は/etc/systemd/logind.confにかかれています.なのでこれをvimで編集します.
$ sudo vi /etc/systemd/logind.conf
を実行して,変数Handleidswitchを書き換えます.
Handleidswitch=ignore
とすればこのラップトップは閉じたままでも使えるようになります.さて,シャットダウンするときはmacからリモートして実行してもいいし,cronとかに書いておけば時間設定して自動で消すこともできます.一方,自動で起動させるのはOSの起動よりも先に設定しなくてはいけないのでこれはUbuntuをいじくってもどうしようもない.そこでいじくるのはBIOSの設定.こちらはマシンによっても違うと思うので詳しくはわからないですが,自分は起動時にF2キーでBIOSの設定に入ったら起動のオプションで時間を設定して起動できるようになっていました.なので平日の9時くらいに自動でこのサーバーが起動するようにしておきます.するといちいちUbuntuをいじらないでも活動を始める頃にはmacからサーバーに入れるというわけです.
なんか長くなってきたからファイルの送受信は次回にします.
ここまでのセットアップでCUIログイン,$TERMの値にに応じて日本語・英語の切り替えを行ったりができるようになりました.ここで,Ubuntuに自分がメインで使っているmac book airからリモートログインできたら便利やなあと思ってsshを利用してログイン,及びファイルの送受信を行いってみたいと思います.
まずはイマイチよくわからなかったのでとりあえずいきなりsshコマンドを使ってつないでみました.
まず,Ubuntuの方で
$ ifconfig
を実行します.すると,自分のローカルIPが分かったのでそれを用いてログインしてみます.今度はmacから
$ ssh [user-name]@[ip address]
を実行.すると接続を拒否されました.さて何でだろうと思ってUbuntuの方をのぞいていったわけですが...
そこで思ったのが,そもそもsshのデーモン動いてんのか?ってことでこれを確認します.sshのデーモンの名前はsshdです.こいつがプロセスにいるかどうかを見てみましょう.
$ ps -A | grep sshd
を実行します.ps -Aでプロセスの一覧を検索して,その中からgrep sshdでsshdという文字列が入っているものを抽出します.すると...
何もでてこない...
デーモンがいらっしゃりませんでした.ってことでデーモンを起動させます.sshdの起動は絶対パスを使わないといけないっぽいので
$ sudo /usr/sbin/sshd
を実行します...あれ,sshdがない...入れ忘れ...?ってことで
$ sudo apt-get openssh-server
を実行してsshdが使えるようにします.そこで気をとりなおして
$ sudo /usr/sbin/sshd
を実行.今度は無事に実行されたようです.念のため
$ ps -A | grep sshd
で確認すると.今度はsshdが起動しているのが確認できました.sshdを止めたり再起動させたい時とかもあると思うのでそれについても調べてみた.sshdの情報は/etc/init.d/sshに入っているみたい.サイトによっては/etc/init.d/sshdとなっていましたが,自分の環境では/etc/init.d/sshにありました.なんの違いがあるのかはイマイチよくわかりませんでした.さてここで,
$ /etc/init.d/ssh [start/stop/restart/status]
を使うと,sshdの状態みたり再移動させたりができました.ということでデーモンが起動したのでもう一度macからログインしてみます.再び
$ ssh [user-name]@[ip address]
を実行.今度はパスワードを要求され,入力すると無事にログインできました.今後このUbuntuは計算用のサーバーとして使っていきたいなあとか思ってなんですけど,いちいちUbuntuを立ち上げたりするのはめんどいけど,だからと言って起動させっぱなしも電力食うから嫌.ってことでまずラップトップを閉じていても起動などができるようにします.この設定は/etc/systemd/logind.confにかかれています.なのでこれをvimで編集します.
$ sudo vi /etc/systemd/logind.conf
を実行して,変数Handleidswitchを書き換えます.
Handleidswitch=ignore
とすればこのラップトップは閉じたままでも使えるようになります.さて,シャットダウンするときはmacからリモートして実行してもいいし,cronとかに書いておけば時間設定して自動で消すこともできます.一方,自動で起動させるのはOSの起動よりも先に設定しなくてはいけないのでこれはUbuntuをいじくってもどうしようもない.そこでいじくるのはBIOSの設定.こちらはマシンによっても違うと思うので詳しくはわからないですが,自分は起動時にF2キーでBIOSの設定に入ったら起動のオプションで時間を設定して起動できるようになっていました.なので平日の9時くらいに自動でこのサーバーが起動するようにしておきます.するといちいちUbuntuをいじらないでも活動を始める頃にはmacからサーバーに入れるというわけです.
なんか長くなってきたからファイルの送受信は次回にします.
【書評】光と物質の不思議な理論(R.P.Feynman)
今回は最近読んだ本を忘れないように感想をまとめておく,書評回にしたいと思います.自分は読みっぱなしのことが多いですが,たまにはまとめておいてログをつけていこうと思います.と言っても,書評というよりは読書感想文に近いと思います.
今回はR.P.Feynmanの「光と物質の不思議な理論−私の量子電磁気学」について書きます.
Feynmanは量子電磁気学の創始者の一人でSchwinger,Tomonagaと共にノーベル賞を取っています.(このような文脈で名前をローマ字で書くのは朝永振一郎氏の「量子力学Ⅰ・Ⅱ」にしたがっている)
今回はR.P.Feynmanの「光と物質の不思議な理論−私の量子電磁気学」について書きます.
創始者自らの解説と言うだけで価値のあるものだが,この本は難解な量子電磁気学を一般の人向けの講演会で行った時のまとめのようである.Feynmanは「LECTURES ON PHYSICS」の著者として有名で,直感的な,しかし本質をついた議論をする.
今回の本も数式に頼ることなく独特な図を用いた議論で光と電子に関する現象をモデル化し,実験結果を再現する過程を分かりやすく記述している.物理をやっていない人が読んでも量子電磁気学とはこんなものかということは分かるであろうし,物理をやっている学生にとっても,普段数式になよりがちな量子論的な議論をイメージを持って取り組めるようになるという点で非常に勉強になる.
Feynmanらしいと思ったのは
「確率振幅を計算している」というよりも「長さの自乗がその事象を起こる確率を表すような矢印を探している」という方が性にあう.
との一節である.すぐに概念を持ち出すのではなく,簡単なものに帰着させるというのは本質をよく理解していないとできないことだと思う.
そもそも私がこの本を読んだのは,学部の量子力学の授業で経路積分について質問になった時,経路積分は数学的には少し難しいがこの本には経路積分の「思想」がよく書かれているとのアドバイスを受けたからであったが,確かに経路積分の思想がよく伝わってきた.光の反射のような身近な話題を経路積分的な発想で解いていた.可能性のあるすべての経路の反射を重ねあわせると,結局反射の法則を満たすような経路以外は打ち消しあって小さくなってしまうというものであった.これは直感に訴えかける見事な説明だと思う.
最終的にはこの本はファインマンダイアグラムを用いてクォークモデルを説明するところまで話が進む.
ファインマンの思想を垣間見る上では入門的な意味で素晴らしい書籍であった.
これからはこんな感じで物理や数学・情報系の本を読んだら読書記録をつけるという意味でこのような投稿をしていきます.
そもそも私がこの本を読んだのは,学部の量子力学の授業で経路積分について質問になった時,経路積分は数学的には少し難しいがこの本には経路積分の「思想」がよく書かれているとのアドバイスを受けたからであったが,確かに経路積分の思想がよく伝わってきた.光の反射のような身近な話題を経路積分的な発想で解いていた.可能性のあるすべての経路の反射を重ねあわせると,結局反射の法則を満たすような経路以外は打ち消しあって小さくなってしまうというものであった.これは直感に訴えかける見事な説明だと思う.
最終的にはこの本はファインマンダイアグラムを用いてクォークモデルを説明するところまで話が進む.
ファインマンの思想を垣間見る上では入門的な意味で素晴らしい書籍であった.
これからはこんな感じで物理や数学・情報系の本を読んだら読書記録をつけるという意味でこのような投稿をしていきます.
2016年9月9日金曜日
Ubuntu 入門2(文字化け対策)
Ubuntuの文字化け対策
前の投稿の続きです.Ubuntuをテキストログインしたのは良いですが,Helpを出したりDATEコマンドを打ってみたりした時に文字化けして,おそらく日本語の部分が□で置きかわるという非常に恐怖を煽る画面になりました.怖かったです.あれこれ調べて対策を取りました.
結局,やるべきことはロケートの環境変数LANGを日本語(ja_JP.utf-8)にしておくだけなのですが...
日本語でUbuntuを導入したため最初からこの設定は問題ありませんでした.
実際,ターミナルエミュレータを使って操作すると日本語はちゃんと出力されて何も問題ないのですが...テキストログインしてコンソールから利用するとうまくいかない.どうしたものかと思って色々調べて見た.
どうもデフォルトのままではテキストログインした時の操作画面,すなわち環境変数TERMがLinuxになっている時には,特別なことをしないと日本語は表示できないっぽい.特別なことというのはコンソールからfbtermとかいう日本語対応のターミナルエミュレータを起動するというもの.正直そこまでして日本語がいいわけでもないしこの方法はあんまり推奨されていないようなので,これは使わない.
そこで最終的にたどり着いたのは標準コンソールにいる時は設定言語を英語にして,それ以外の時は日本語にするというシェルスクリプトを書いてしまおうというものです.
書き込むのはおなじみの~/.bashrcです.vimを使って書きます.
$ sudo vi ~/.bashrc
で,最後に以下を付け加えます.
linux) LANG=C
LANGUAGE=en
LC_ALL=C;;
*)
esac
以上はただのcase文なので詳しい文法はhttp://shellscript.sunone.me/case.htmlなどに詳しく載っていたのでそちらを参照.
また,上のスクリプトの意味は,
case $TERM in ... esac で環境変数TERMに関しての場合分けをします.
linux) LANG=C
LANGUAGE=en
LC_ALL=C;;
の部分で標準コンソールにいる時に行う処理を書きます.LANG=Cは文字を英語で表示する処理.LANGEAGE=enはubuntuからの文字の出力を英語にする(厳密ではないかもしれない).LC_ALL=Cは時刻とか,その他もろもろを英語にする処理です.
また,例外処理
*)
の部分は何も書かなくても日本語でインストールしているのでいじらなくて良いです.
書きたかったら上と同様にして日本語の設定をかけばいいが,そこは必要最低限でにしておきます.
これを書き終えたら:wqで保存してvimを終了します.そして
$ sudo source ~/.bashrc
で変更を適用します.
するとうまくいきました.標準コンソールではちゃんと英語が使え,sshでmacとかから遠隔操作した場合はターミナルから日本語設定のものが使えるようになりました.まあ,別に日本語いらないような気もしてきたんだけど,せっかく入ってたからね...
ちなみに,情けない話ですがLANGUAGE=enの設定にすぐに気づけませんでした.LANG=Cの段階でコマンドのヘルプとかは英語になったので,「このコマンドは見つかりませんでした」的な表示のみ文字化けする理由がなかなか分からなかったんですよね.でも,□が出てこなくなっていたのでエンコードには問題ない.根本的にOSが日本語を出力していることに気づき,言語に日本語と英語が共存している
LANGUAGE=ja:en
がいけなかったのだと分かりました.
次回はsshでmacからubuntuを操作した話です.次で自分的には大体ひと段落です.
前の投稿の続きです.Ubuntuをテキストログインしたのは良いですが,Helpを出したりDATEコマンドを打ってみたりした時に文字化けして,おそらく日本語の部分が□で置きかわるという非常に恐怖を煽る画面になりました.怖かったです.あれこれ調べて対策を取りました.
結局,やるべきことはロケートの環境変数LANGを日本語(ja_JP.utf-8)にしておくだけなのですが...
日本語でUbuntuを導入したため最初からこの設定は問題ありませんでした.
実際,ターミナルエミュレータを使って操作すると日本語はちゃんと出力されて何も問題ないのですが...テキストログインしてコンソールから利用するとうまくいかない.どうしたものかと思って色々調べて見た.
どうもデフォルトのままではテキストログインした時の操作画面,すなわち環境変数TERMがLinuxになっている時には,特別なことをしないと日本語は表示できないっぽい.特別なことというのはコンソールからfbtermとかいう日本語対応のターミナルエミュレータを起動するというもの.正直そこまでして日本語がいいわけでもないしこの方法はあんまり推奨されていないようなので,これは使わない.
そこで最終的にたどり着いたのは標準コンソールにいる時は設定言語を英語にして,それ以外の時は日本語にするというシェルスクリプトを書いてしまおうというものです.
書き込むのはおなじみの~/.bashrcです.vimを使って書きます.
$ sudo vi ~/.bashrc
で,最後に以下を付け加えます.
linux) LANG=C
LANGUAGE=en
LC_ALL=C;;
*)
esac
以上はただのcase文なので詳しい文法はhttp://shellscript.sunone.me/case.htmlなどに詳しく載っていたのでそちらを参照.
また,上のスクリプトの意味は,
case $TERM in ... esac で環境変数TERMに関しての場合分けをします.
linux) LANG=C
LANGUAGE=en
LC_ALL=C;;
の部分で標準コンソールにいる時に行う処理を書きます.LANG=Cは文字を英語で表示する処理.LANGEAGE=enはubuntuからの文字の出力を英語にする(厳密ではないかもしれない).LC_ALL=Cは時刻とか,その他もろもろを英語にする処理です.
また,例外処理
*)
の部分は何も書かなくても日本語でインストールしているのでいじらなくて良いです.
書きたかったら上と同様にして日本語の設定をかけばいいが,そこは必要最低限でにしておきます.
これを書き終えたら:wqで保存してvimを終了します.そして
$ sudo source ~/.bashrc
で変更を適用します.
するとうまくいきました.標準コンソールではちゃんと英語が使え,sshでmacとかから遠隔操作した場合はターミナルから日本語設定のものが使えるようになりました.まあ,別に日本語いらないような気もしてきたんだけど,せっかく入ってたからね...
ちなみに,情けない話ですがLANGUAGE=enの設定にすぐに気づけませんでした.LANG=Cの段階でコマンドのヘルプとかは英語になったので,「このコマンドは見つかりませんでした」的な表示のみ文字化けする理由がなかなか分からなかったんですよね.でも,□が出てこなくなっていたのでエンコードには問題ない.根本的にOSが日本語を出力していることに気づき,言語に日本語と英語が共存している
LANGUAGE=ja:en
がいけなかったのだと分かりました.
次回はsshでmacからubuntuを操作した話です.次で自分的には大体ひと段落です.
2016年9月8日木曜日
Ubuntu 入門1(Ubuntuをテキストログインする)
Ubuntuの導入
先の投稿で述べた通り,かつてwindowsで動いていたPCをUbuntuとして復活させました.UbuntuはDebian系のLinuxOSです.UbuntuどころかLinux自体もほとんど触ったことがなかったのでうまくいかなかったことも多くありました.そこでこの記事に備忘録的な意味も込めて記録しておきます.
自分が触ったことのあるLinux系のOSはCentOSで,学部の授業で少し触ったことがある程度なのですが,今回のUbuntu導入に関しては全く役に立ちませんでした.(当然といえば当然)大学でもっと役に立つことを教えて欲しかったなあと思った今日此の頃です.
UbuntuのインストールはDVDを用いて行ったのですが,ここはインストーラーの指示に従っていけば良いだけなので省略します.この時日本語の環境設定を行ったのですがこの設定が後でテキストログインした時に苦労した原因になりました.
さて今日行ったのはUbuntuの各種設定についてです.
まず思いたったのはテキストログインできるようにしたいというところからです.
Ubuntuのテキストログイン
GUIでログインすると重くなってしまって嫌なので,テキストログインできるようにしました.いじくるくところは
/etc/defualt/grub
です.ここをviで書き換えます.bashで
$ sudo vi /etc/default/grub
を実行します.そこで環境変数の
GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT
の値を
splash quiet から splash quiet text
に書き換えます.各種の引数に関してはhttp://www.usupi.org/sysad/237.htmlに詳しい.
splash:スプラッシュ画面の表示
quiet:メッセージ出力の抑制
text:テキストモードで起動
書き換えた後は
$ sudo update-grub2
を実行して変更を適用させます.自分は最初これが分からないで苦労しました.というか,最初に書き換えた時は$ sudo update-grub2を実行した記憶がないのですが何故かテキストログインできちゃったのです.自分が実行させたことを忘れていただけかもしれないですが...
しかしできたらできたで問題ないじゃないかと思われるかもしれませんが,これをまたGUIでログインするように設定したいと思った時,
splash quiet text から splash quiet
に変更をすれば良いだけだと思ったのですがなかなか変わらない.結局
$ sudo update-grub2
にたどり着くまでに色々調べる羽目になっちゃいました.
テキストログイン後にGUIを起動する
CUIの方が軽いし大概の操作はこちらの方が効率良くできますが,GUIのソフトを使いたいなんて時もあるので,そのような時の対策をメモ.自分の使っている環境ではディスプレイマネージャはlightdmなので,以下各自の環境に合わせてlightdmをgdmなどに置き換えてください.
$ sudo service lightdm start
または
$ sudo start lightdm
これでコマンドラインからGUIを起動できます.
さて,テキストログインした後は文字化けに悩まされることになったのですが,これはまた次回.
先の投稿で述べた通り,かつてwindowsで動いていたPCをUbuntuとして復活させました.UbuntuはDebian系のLinuxOSです.UbuntuどころかLinux自体もほとんど触ったことがなかったのでうまくいかなかったことも多くありました.そこでこの記事に備忘録的な意味も込めて記録しておきます.
自分が触ったことのあるLinux系のOSはCentOSで,学部の授業で少し触ったことがある程度なのですが,今回のUbuntu導入に関しては全く役に立ちませんでした.(当然といえば当然)大学でもっと役に立つことを教えて欲しかったなあと思った今日此の頃です.
UbuntuのインストールはDVDを用いて行ったのですが,ここはインストーラーの指示に従っていけば良いだけなので省略します.この時日本語の環境設定を行ったのですがこの設定が後でテキストログインした時に苦労した原因になりました.
さて今日行ったのはUbuntuの各種設定についてです.
まず思いたったのはテキストログインできるようにしたいというところからです.
Ubuntuのテキストログイン
GUIでログインすると重くなってしまって嫌なので,テキストログインできるようにしました.いじくるくところは
/etc/defualt/grub
です.ここをviで書き換えます.bashで
$ sudo vi /etc/default/grub
を実行します.そこで環境変数の
GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT
の値を
splash quiet から splash quiet text
に書き換えます.各種の引数に関してはhttp://www.usupi.org/sysad/237.htmlに詳しい.
splash:スプラッシュ画面の表示
quiet:メッセージ出力の抑制
text:テキストモードで起動
書き換えた後は
$ sudo update-grub2
を実行して変更を適用させます.自分は最初これが分からないで苦労しました.というか,最初に書き換えた時は$ sudo update-grub2を実行した記憶がないのですが何故かテキストログインできちゃったのです.自分が実行させたことを忘れていただけかもしれないですが...
しかしできたらできたで問題ないじゃないかと思われるかもしれませんが,これをまたGUIでログインするように設定したいと思った時,
splash quiet text から splash quiet
に変更をすれば良いだけだと思ったのですがなかなか変わらない.結局
$ sudo update-grub2
にたどり着くまでに色々調べる羽目になっちゃいました.
テキストログイン後にGUIを起動する
CUIの方が軽いし大概の操作はこちらの方が効率良くできますが,GUIのソフトを使いたいなんて時もあるので,そのような時の対策をメモ.自分の使っている環境ではディスプレイマネージャはlightdmなので,以下各自の環境に合わせてlightdmをgdmなどに置き換えてください.
$ sudo service lightdm start
または
$ sudo start lightdm
これでコマンドラインからGUIを起動できます.
さて,テキストログインした後は文字化けに悩まされることになったのですが,これはまた次回.
2016年9月7日水曜日
PC再生
最近,かつて家族共用のPCで眠っているものを見つけました.
そもそもはwindows vistaの時代のもの(笑)だったのだが,windows7にアップグレードして数年前まで使っていた.
そんなPCにはいろいろと問題点があった.
そもそもはwindows vistaの時代のもの(笑)だったのだが,windows7にアップグレードして数年前まで使っていた.
そんなPCにはいろいろと問題点があった.
- 外装のゴムが溶けて汚い,ベタベタする
- いろいろな無駄なファイルがあったりしてとにかく重い
まず上の症状だけで使うのが嫌になってしまう.使ってるだけでなんか手がベタベタして非常に気持ち悪い.長年暑いところに眠っていたせいでゴムが完全に溶けていたのである.
さて,まずはこの症状を解消したい.そこでまずとった行動は
1.アルコールティッシュで磨く
コンビニとかでも売っているアルコールティッシュがあったので拭いてみた.これは意外と綺麗になりそうだった.詳しくは知らないですがアルコールは合成ゴムを溶かすみたいなのでベタベタしている表面を取り除けたのでしょう.局所的にはかつての滑らかさを取り戻していた.しかしこの方法では膨大にティッシュが必要であまり現実的ではありませんでした.そこで次の方法
2.除光液で拭いてみる
除光液も合成ゴムを溶かすようなのでそれで磨いてみた.これも部分的には溶けたゴムを取り除けるものの,磨きすぎると溶けすぎるが少ないとあまり汚れは落ちないというように調整が難しい.その上,除光液は母の所有物だったためあまりたくさん使うのは申し訳なかったのでやめた笑
3.消毒用エタノールで磨く
上の二つの経験から結局はエタノールがうまくいきそうだったのでより濃度の濃い消毒用エタノールを薬局で買ってきた.
エタノール |
これで磨くと,いい具合に表層が溶けて,ベタベタする面は取り除けた.これでマシン自体は復活した感じがする.
次に新しいOSを導入し,クリーンインストールした.ここは手頃にUbuntuにしておいた.Ubuntuの各種セットアップや苦労したことについては次回.
2016年9月3日土曜日
量子論 干渉縞ができる理由
宣伝ですが,このブログ用のツイッターを作ったので是非フォローしてください.このブログの宣伝とKEKやAPSなどのツイートをリツイートしたりします.
干渉縞の数学的な説明
サマチャレの演習でダブルスリットの実験を行い干渉縞が見える見えないから量子論の基礎的な枠組みを推測してきました.かつての投稿で予告した通り干渉縞の見える理由を数学的に解説します.
今回は数学的な内容なので普段,数学を使ってない人には難しいかもしれないですが,物理学科の学部生がやる初等的な量子力学の内容はこんな感じですっていう空気感はつたわると思いますので,ぜひ目を通してみてください.
では早速見ていきましょう.
まず,光子の状態ベクトルを\[\left|\psi\right\rangle\]で表します.この時光子の存在確率は波動として広がっていき二つのスリットを通ります.二つのスリットを通ると状態ベクトルは二つの状態に展開できます.適当にスリットに1,2というインデックスをつければ\[\left|\psi\right\rangle =\frac{1}{\sqrt{2}}\left[\left|\psi_{1}\right\rangle +\left|\psi_{2}\right\rangle \right]\]で表されます.ここで√2で割っているのは二つのスリットに入る確率は当確率と仮定しているからです.
ここでスクリーンの位置xで光子を観測するという行為は左からブラベクトル\[\left\langle x\right|\]を作用させることで実現されます.
スリット1からでた光子が位置xで観測されるとき,その間は平面波として伝わるとみなせます.なぜなら光子はその間で一切の操作を受けず,自由場で運動しているとみなせるからです.よって各スリットからの光子を位置xで観測する時の確率振幅は\[\langle x\left|\psi_{i}\right\rangle =Ae^{ik_{i}r_{i}}\quad\left(i=1,2\right)\]が成立します.
位置xで光子が観測される確率は確率解釈に従って,確率振幅の2乗で表されるから\[p\left(x\right)=\left|\langle x\left|\psi\right\rangle \right|^{2}=\frac{1}{2}\left|\langle x\left|\psi_{1}\right\rangle +\langle x\left|\psi_{2}\right\rangle \right|^{2}\] \[\therefore p\left(x\right)=\frac{\left|A\right|^{2}}{2}\left|e^{ik_{1}r_{1}}+e^{ik_{2}r_{2}}\right|^{2}\] \[\therefore p\left(x\right)=\left|A\right|^{2}\left[1+\cos\left(k_{2}r_{2}-k_{1}r_{1}\right)\right]\]が成立する.
上の式のcosで書かれるところが干渉を表しています.ある位置で観測される光子の個数はその位置での確率に比例します.よって,cosが最大になる時最も光子が多く,最小になる時に光子が少なるのです.この個数のムラが干渉縞として観測されます.
次にダブルスリットのそれぞれに偏光板をつけて光子が通ったスリットをトレースできるようにしたらどうなるのでしょうか.光子はスリットの状態に加えて偏光の状態も持つので光子の状態ベクトルは次のように表せます.\[\left|\psi\right\rangle =\frac{1}{\sqrt{2}}\left[\left|\psi_{1}\right\rangle \left|\perp\right\rangle +\left|\psi_{2}\right\rangle \left|\parallel\right\rangle \right]\]先ほどと同じ手順で確率を位置の関数として求めます.\[p\left(x\right)=\left|\langle x\left|\psi\right\rangle \right|^{2}=\frac{1}{2}\left|\langle x\left|\psi_{1}\right\rangle \left|\perp\right\rangle +\langle x\left|\psi_{2}\right\rangle \left|\parallel\right\rangle \right|^{2}\] \[\therefore p\left(x\right)=\frac{\left|A\right|^{2}}{2}\left|e^{ik_{1}r_{1}}\left|\perp\right\rangle +e^{ik_{2}r_{2}}\left|\parallel\right\rangle \right|^{2}\]ここで各偏光状態は独立なので\[\langle\perp\left|\parallel\right\rangle =0\]が成立します.よって\[p\left(x\right)=\left|A\right|^{2}\]です.今度は先ほどと違ってcosの項が現れません.これはいたる所一様な確率分布を示しています.よって今回は干渉縞は現れません.
さて,次は偏光板が2枚の時のケースですが,これはまた次の機会にしましょう.偏光板をある角度で2枚重ねると干渉縞が復活するのですが,次回はこれを見ていきます.
では次の更新をお楽しみに.
干渉縞の数学的な説明
サマチャレの演習でダブルスリットの実験を行い干渉縞が見える見えないから量子論の基礎的な枠組みを推測してきました.かつての投稿で予告した通り干渉縞の見える理由を数学的に解説します.
今回は数学的な内容なので普段,数学を使ってない人には難しいかもしれないですが,物理学科の学部生がやる初等的な量子力学の内容はこんな感じですっていう空気感はつたわると思いますので,ぜひ目を通してみてください.
では早速見ていきましょう.
まず,光子の状態ベクトルを\[\left|\psi\right\rangle\]で表します.この時光子の存在確率は波動として広がっていき二つのスリットを通ります.二つのスリットを通ると状態ベクトルは二つの状態に展開できます.適当にスリットに1,2というインデックスをつければ\[\left|\psi\right\rangle =\frac{1}{\sqrt{2}}\left[\left|\psi_{1}\right\rangle +\left|\psi_{2}\right\rangle \right]\]で表されます.ここで√2で割っているのは二つのスリットに入る確率は当確率と仮定しているからです.
ここでスクリーンの位置xで光子を観測するという行為は左からブラベクトル\[\left\langle x\right|\]を作用させることで実現されます.
スリット1からでた光子が位置xで観測されるとき,その間は平面波として伝わるとみなせます.なぜなら光子はその間で一切の操作を受けず,自由場で運動しているとみなせるからです.よって各スリットからの光子を位置xで観測する時の確率振幅は\[\langle x\left|\psi_{i}\right\rangle =Ae^{ik_{i}r_{i}}\quad\left(i=1,2\right)\]が成立します.
位置xで光子が観測される確率は確率解釈に従って,確率振幅の2乗で表されるから\[p\left(x\right)=\left|\langle x\left|\psi\right\rangle \right|^{2}=\frac{1}{2}\left|\langle x\left|\psi_{1}\right\rangle +\langle x\left|\psi_{2}\right\rangle \right|^{2}\] \[\therefore p\left(x\right)=\frac{\left|A\right|^{2}}{2}\left|e^{ik_{1}r_{1}}+e^{ik_{2}r_{2}}\right|^{2}\] \[\therefore p\left(x\right)=\left|A\right|^{2}\left[1+\cos\left(k_{2}r_{2}-k_{1}r_{1}\right)\right]\]が成立する.
上の式のcosで書かれるところが干渉を表しています.ある位置で観測される光子の個数はその位置での確率に比例します.よって,cosが最大になる時最も光子が多く,最小になる時に光子が少なるのです.この個数のムラが干渉縞として観測されます.
次にダブルスリットのそれぞれに偏光板をつけて光子が通ったスリットをトレースできるようにしたらどうなるのでしょうか.光子はスリットの状態に加えて偏光の状態も持つので光子の状態ベクトルは次のように表せます.\[\left|\psi\right\rangle =\frac{1}{\sqrt{2}}\left[\left|\psi_{1}\right\rangle \left|\perp\right\rangle +\left|\psi_{2}\right\rangle \left|\parallel\right\rangle \right]\]先ほどと同じ手順で確率を位置の関数として求めます.\[p\left(x\right)=\left|\langle x\left|\psi\right\rangle \right|^{2}=\frac{1}{2}\left|\langle x\left|\psi_{1}\right\rangle \left|\perp\right\rangle +\langle x\left|\psi_{2}\right\rangle \left|\parallel\right\rangle \right|^{2}\] \[\therefore p\left(x\right)=\frac{\left|A\right|^{2}}{2}\left|e^{ik_{1}r_{1}}\left|\perp\right\rangle +e^{ik_{2}r_{2}}\left|\parallel\right\rangle \right|^{2}\]ここで各偏光状態は独立なので\[\langle\perp\left|\parallel\right\rangle =0\]が成立します.よって\[p\left(x\right)=\left|A\right|^{2}\]です.今度は先ほどと違ってcosの項が現れません.これはいたる所一様な確率分布を示しています.よって今回は干渉縞は現れません.
さて,次は偏光板が2枚の時のケースですが,これはまた次の機会にしましょう.偏光板をある角度で2枚重ねると干渉縞が復活するのですが,次回はこれを見ていきます.
では次の更新をお楽しみに.
2016年8月24日水曜日
サマチャレ9日目!
すいません.更新が遅れていました.(8/26日は)サマチャレ9日目でした.今日の予定は
- 口頭発表
- ポスター発表
- 閉会式
でした.ついに最終日でしたが,前日からの不眠不休の考察・発表準備のために体調はすぐれませんでしたが,何としてもP07班の発表を成功させたい一心で動いた1日でした.
いま,写真を振り返ってみるとほとんど何も撮っていないことが判明しました.動き回っていたので写真撮ってる暇なかったんですね...
でも,思い出すといろいろな人からの意見・批判などでズタボロにされた記憶がよみがえてくるので,そのことをつらつらと書きたいと思います.
さて,9日目の幕開けは口頭発表です.直前まで徹夜で準備をしていたため,発表の始まる1時間くらい前にようやくシャワーを浴びることができました.ここで他の班員は仮眠をとったりしましたが,自分ともう一人の前で立って発表する担当は直前まで練習しました.
前日の班内での模擬発表会で,TAの方と先生にスライドに文字が多すぎるといったことや写真などの配置の工夫についての助言をいただいていたため,自画自賛にはなりますがレイアウト面では群をぬいてよくできていたと思います.また,チームを二つに分けて考えられる質問を互いにぶつけ合い,対応策を検討しました.発表の順番はくじ引きによって決められましたが,自分たちは午前の部のちょうど真ん中でした.みんな眠くなってくる頃なのであんまり質問などは来ないのでは...なんて思っていました.ですがいざ自分たちの番に来ると,直前に休憩を挟んでいたために逆に一番元気になるところでした.手厳しい質問を覚悟して壇上に登りました.
さて,その前に他班の感想をまとめておきます.他班の研究内容を知ることができるのはこの場だけであったので非常に興味深く,新鮮なテーマが多かったです.特に物質生命コースの内容は普段触れないテーマでしたので勉強になりました.しかし前日の徹夜が響いて誠に失礼な話ですが眠気との戦いになってしまう発表もありました.そこが少し残念でした.それと,総じて他の班に対して感じたのは専門性が高いということです.普段からそのことを研究していたり,ある程度高度な内容まで習得している人ならともかく,初めて聞く手法で何かを検出していても,正直何を質問すればいいのかもわかりませんでした.そのデータはどうしてずれたのか.とか,説明がなかったところの説明を求めると言った類のことが多かったです.また,テーマ自体が「〇〇を用いて××を検出する」といった類のものが多く.検出できて,文献値などとも一致しています.めでたしめでたし.といった内容も多く感じました.それは自分たちの班のテーマが結果はよく知っていることを検証して,哲学的な考察(量子力学の構造を探る)に持ち込むところまでがテーマだったためかもしれません.
さて,自分たちの発表ですがまずはもう一人が光速度測定についての説明をしました.このところは有効数字が高いということでたくさんの質問が来ると予想されていた難所です.彼も緊張からか練習よりも時間が多くかかっていたような気がしました.しかし,堂々と見事にやりきっていて自分にバトンタッチしてくれました.まずはあまり本筋ではない水中の光速度測定はさらっと説明して,メインテーマである量子力学の基本構造の検証についての発表をしました.ここは自分も毎晩考察して,考えを練ってきただけあって自信をもって説明できました.しかし,実験から導かれることのみを使うということにこだわりすぎて馴染みの記号などを少なくしてしまったため,よく勉強している人からはこの辺で突っ込まれたりしました.
最後に再びもう一人にバトンタッチして,しめてもらいました.時間ぴったりで終わりました.その後,質問を受け付けると意外にも光速度についての質問は少なく,ほとんどがダブルスリット実験のものでした.これに答えるのは自分が担当だったためにかなり忙しかったです.干渉縞の幅が変わって見えたのはなぜかという.当初スライドで言うはずだったことを聞かれてしまい,焦って言い忘れていたことに気づきました.重要な情報だったので,これは質問してもらえて助かりました.そのほか,信号が単光子とみなせる理由について聞かれたのですが,これはスライドを用意していたははずが,テンパってしまい見つけられませんでした.そこで無理やり口で説明しましたが,テンパったのが目に見えていたと思うので,これはかなり失敗でした.後でTAの方から,こういう状況では,質問の内容を確認の意味で繰り返すと見せかけて時間を稼ぐというテクニックを教えていただきました.でも,これを知っていても自分はテンパっていたと思います笑
やはり発表には練習と経験が必要ですな.
さて,口頭発表が終わったところで先生とTAさんは先に帰るというこので挨拶に行きましたが,その時先生が初めてにしては上出来だと言ってくださり,かなり辛い実験の毎日でしたがとりあえず,小さな目標は達成されました.自分たちがそれなりにうまくできたのも先生がとにかく自分たちにやらせてくれたのといい意味でめちゃめちゃ厳しかったからだと思います.厳しく注意してくれる存在のありがたさを実感しました.
その後はポスター発表です.今度は口頭発表よりも近い位置で質問される上に時間も十分にあるので,より深い議論になることが予想されていました.
自分たちのポスターにはたくさんの人が見にきてくださりましたが,その分手厳しい質問も来ました.ただでさえ人でが足りないなか,寝不足から寝過ごしてしまう者,他班に遊びに行ってしまう者もいて,少ない人数で質問をさばいていかなければならず,大変でした.特に,単光子の判定のところではかなり質問が来てコテンパンにされそうになりながらも,なんとか納得してもらえました.こちらの実験では,幾つか動画も用意していたためにかなり盛り上がりました.
このテーマについては量子力学の教科書に必ず書いてあるものの十分に解説が書かれていないことから,わかりにくいと思っていた人も多かったようですが,この発表を聞いて非常に分かりやすかったと言ったことや,あるスタッフの人からも非常に興味深かったというお言葉をいただき,非常に嬉しかったです.チームで徹夜した甲斐がありました.
水中の光速度測定の方では致命的なミスがあることを指摘され,コテンパンに言われました.ズタボロになりました.が,ミスはミスですし,本物の研究発表ではないということを持ち出せば,いい勉強になりました.といっても,水の温度の文献値に気圧パラメータが抜けてるから何を比較の意味がないというものでこちらの完全な落ち度でした.苦し紛れに,気圧の変化でそこまで変化はしないと考えられますと答えたところ,考えられるから調べないのはサイエンスではないと言われました.全くもってその通りで,以後の人生では2度とこのような醜態を晒さないように気をつけたいです.
さて,その間にもう一方の光速度測定の方もデータの取り方が恣意的じゃないかといった指摘を受けて,かなり苦しんだようですが,なんとかポスター発表も乗り切ることができました.
対応が忙しかったためにあまり他班のポスターを見に行けなかったのが残念でした.
さて,ポスター発表の後は修了式でした.長くなってきたのでさらっと書いてしまうと,修了証書をいただき,記念撮影をしました.
また最後に機構長から「研究開発」についてのお話がありました.研究とは世界で誰も知らないことを知ること,開発とは世界で誰もできなかったことをできるようにすること.だから研究者はいつも世界で1番を目指さなければならない.といったお話でした.
いま,写真を振り返ってみるとほとんど何も撮っていないことが判明しました.動き回っていたので写真撮ってる暇なかったんですね...
でも,思い出すといろいろな人からの意見・批判などでズタボロにされた記憶がよみがえてくるので,そのことをつらつらと書きたいと思います.
さて,9日目の幕開けは口頭発表です.直前まで徹夜で準備をしていたため,発表の始まる1時間くらい前にようやくシャワーを浴びることができました.ここで他の班員は仮眠をとったりしましたが,自分ともう一人の前で立って発表する担当は直前まで練習しました.
前日の班内での模擬発表会で,TAの方と先生にスライドに文字が多すぎるといったことや写真などの配置の工夫についての助言をいただいていたため,自画自賛にはなりますがレイアウト面では群をぬいてよくできていたと思います.また,チームを二つに分けて考えられる質問を互いにぶつけ合い,対応策を検討しました.発表の順番はくじ引きによって決められましたが,自分たちは午前の部のちょうど真ん中でした.みんな眠くなってくる頃なのであんまり質問などは来ないのでは...なんて思っていました.ですがいざ自分たちの番に来ると,直前に休憩を挟んでいたために逆に一番元気になるところでした.手厳しい質問を覚悟して壇上に登りました.
さて,その前に他班の感想をまとめておきます.他班の研究内容を知ることができるのはこの場だけであったので非常に興味深く,新鮮なテーマが多かったです.特に物質生命コースの内容は普段触れないテーマでしたので勉強になりました.しかし前日の徹夜が響いて誠に失礼な話ですが眠気との戦いになってしまう発表もありました.そこが少し残念でした.それと,総じて他の班に対して感じたのは専門性が高いということです.普段からそのことを研究していたり,ある程度高度な内容まで習得している人ならともかく,初めて聞く手法で何かを検出していても,正直何を質問すればいいのかもわかりませんでした.そのデータはどうしてずれたのか.とか,説明がなかったところの説明を求めると言った類のことが多かったです.また,テーマ自体が「〇〇を用いて××を検出する」といった類のものが多く.検出できて,文献値などとも一致しています.めでたしめでたし.といった内容も多く感じました.それは自分たちの班のテーマが結果はよく知っていることを検証して,哲学的な考察(量子力学の構造を探る)に持ち込むところまでがテーマだったためかもしれません.
さて,自分たちの発表ですがまずはもう一人が光速度測定についての説明をしました.このところは有効数字が高いということでたくさんの質問が来ると予想されていた難所です.彼も緊張からか練習よりも時間が多くかかっていたような気がしました.しかし,堂々と見事にやりきっていて自分にバトンタッチしてくれました.まずはあまり本筋ではない水中の光速度測定はさらっと説明して,メインテーマである量子力学の基本構造の検証についての発表をしました.ここは自分も毎晩考察して,考えを練ってきただけあって自信をもって説明できました.しかし,実験から導かれることのみを使うということにこだわりすぎて馴染みの記号などを少なくしてしまったため,よく勉強している人からはこの辺で突っ込まれたりしました.
最後に再びもう一人にバトンタッチして,しめてもらいました.時間ぴったりで終わりました.その後,質問を受け付けると意外にも光速度についての質問は少なく,ほとんどがダブルスリット実験のものでした.これに答えるのは自分が担当だったためにかなり忙しかったです.干渉縞の幅が変わって見えたのはなぜかという.当初スライドで言うはずだったことを聞かれてしまい,焦って言い忘れていたことに気づきました.重要な情報だったので,これは質問してもらえて助かりました.そのほか,信号が単光子とみなせる理由について聞かれたのですが,これはスライドを用意していたははずが,テンパってしまい見つけられませんでした.そこで無理やり口で説明しましたが,テンパったのが目に見えていたと思うので,これはかなり失敗でした.後でTAの方から,こういう状況では,質問の内容を確認の意味で繰り返すと見せかけて時間を稼ぐというテクニックを教えていただきました.でも,これを知っていても自分はテンパっていたと思います笑
やはり発表には練習と経験が必要ですな.
さて,口頭発表が終わったところで先生とTAさんは先に帰るというこので挨拶に行きましたが,その時先生が初めてにしては上出来だと言ってくださり,かなり辛い実験の毎日でしたがとりあえず,小さな目標は達成されました.自分たちがそれなりにうまくできたのも先生がとにかく自分たちにやらせてくれたのといい意味でめちゃめちゃ厳しかったからだと思います.厳しく注意してくれる存在のありがたさを実感しました.
その後はポスター発表です.今度は口頭発表よりも近い位置で質問される上に時間も十分にあるので,より深い議論になることが予想されていました.
自分たちのポスターにはたくさんの人が見にきてくださりましたが,その分手厳しい質問も来ました.ただでさえ人でが足りないなか,寝不足から寝過ごしてしまう者,他班に遊びに行ってしまう者もいて,少ない人数で質問をさばいていかなければならず,大変でした.特に,単光子の判定のところではかなり質問が来てコテンパンにされそうになりながらも,なんとか納得してもらえました.こちらの実験では,幾つか動画も用意していたためにかなり盛り上がりました.
このテーマについては量子力学の教科書に必ず書いてあるものの十分に解説が書かれていないことから,わかりにくいと思っていた人も多かったようですが,この発表を聞いて非常に分かりやすかったと言ったことや,あるスタッフの人からも非常に興味深かったというお言葉をいただき,非常に嬉しかったです.チームで徹夜した甲斐がありました.
水中の光速度測定の方では致命的なミスがあることを指摘され,コテンパンに言われました.ズタボロになりました.が,ミスはミスですし,本物の研究発表ではないということを持ち出せば,いい勉強になりました.といっても,水の温度の文献値に気圧パラメータが抜けてるから何を比較の意味がないというものでこちらの完全な落ち度でした.苦し紛れに,気圧の変化でそこまで変化はしないと考えられますと答えたところ,考えられるから調べないのはサイエンスではないと言われました.全くもってその通りで,以後の人生では2度とこのような醜態を晒さないように気をつけたいです.
さて,その間にもう一方の光速度測定の方もデータの取り方が恣意的じゃないかといった指摘を受けて,かなり苦しんだようですが,なんとかポスター発表も乗り切ることができました.
対応が忙しかったためにあまり他班のポスターを見に行けなかったのが残念でした.
さて,ポスター発表の後は修了式でした.長くなってきたのでさらっと書いてしまうと,修了証書をいただき,記念撮影をしました.
修了証書 |
これでサマーチャレンジは締めくくられたわけですが,振り返ってみると本当に多くの出会いをしました.サマチャレに来なきゃ絶対に知り合うことのなかった人間が出会ったという,この偶然を大事にして,これから先世界一を志す仲間として切磋琢磨し合えたらいいなと,決意を固めたサマチャレでした.
また,KEKに研究者として帰ってこれたら嬉しいな.と心のどこか片隅に置いておいてこれからも修行していきます.
高エネルギー加速器研究機構 |
ちなみにこの後はみんなでお疲れ様会をしました.
ルービックキューブや大道芸やジャンケン大会など,非常に盛り上がりました.
長くなりましたがサマチャレについてはこれで終わりです.このブログはこれからも更新していきます.不定期になるとは思いますが物理,数学などの記事や学生生活,院試関連なども書いていけたらなと思っています.
これからもぜひ足を御運び下さい.
これからもぜひ足を御運び下さい.
サマチャレ8日目!
(8/25日は)サマチャレ8日目でした.今日の予定は
- 演習(6日目)
- 発表準備
です.ついに演習は最終日を迎えました.全ての疑問は今日解決しなくてはいけないというプレッシャーに追われながらも,どうにか水中の光速度を有効数字2桁で測ることができました.使った実験器具は以下の写真です.
有効数字2桁というと精度が悪いと思われるかもしれませんが,この実験方式で精度を出すには水槽の高さを高くしなければならず,この期間中には不可能でした.有効数字2桁を出すだけでも,80cm程度は水の高さが必要だったのですが,実験室にあったのは50cmの円筒容器のみ.そこで,アクリル板を曲げて高さを延長しました.アクリル板の接合部が弱かったからか,水を入れた時にそこで噴き出して大変なことになりました.3人がかりビニールテープで縛り付けてどうにか実験しました.画面右上にあるのがフィゾーの光速測定装置をアレンジした光速度測定装置です(歯車ではなくて変調レーザー,検出はフォトダイオードに受光させてオシロスコープで読み取りました).そこから出た光は画面中央上に設置されているミラーで反射し,画面中央下にあるコーナーキューブプリズムという光の入射方向に平行な向きに反射させる特別な鏡です(日常的には自転車の反射板.ここで用いたのはもっと精度が良い).
ちなみに,有効数字2桁ってたいしたことないじゃんと思われるかもしれないですが,もしも有効数字をもう一つあげようと思うと水槽の高さを18mにしないといけません.これは実験室では無理です.尤も水槽を横に倒せば立てるよりは楽ですが赤いレーザーでは18mも光が届かないそうです.散乱によって減衰してしまうそうです.なので青などの直進性の強いレーザーを使わないとダメなようです.これはまた機会があればやってみたいです.
ちなみに指導教官は若い頃,まだ青色のレーザーがない頃,水ではないのですが灯油の光速度を測定したそうです.これは散乱の効果は無視できるそうですが,40Lの灯油を使ったそうです.怖いです.死と隣り合わせの実験ですね.
さて,水中の光速度を測定したあとはまずは後片付けをしました.
水槽の水を捨てるのはかなり面倒くさいので,サイフォンの原理を用いて,ホースを使って外に排水しました笑
サイフォンもできて,なんとなくお得感がありました.
引き続き,I.I.などの片付けをしましたが,あれだけお世話になったI.I.を片付けるときは非常に切なくなりました.
といっても,実験中に真ん中を焼いちゃって壊れちゃったんですけどね...200万円するらしいんですけど.もっとも,かなり古い機械だったらしいのでしょうがないと先生は言っていましたが.
それでもやはりお世話になった機械には愛着がわくものなんですね.
そのあとは,研究発表用のポスターとスライドを作りました.
もうそれは地獄です.
本当に徹夜でした.
しかし時間なさすぎて疲れたとかそういう感覚は失われていました.班員には徹夜慣れしていない人も少なからずいて,適宜仮眠をとりながらということでしたが,自分は前に立って発表することもあり,緊張と練習で次の日の発表が終わるまで一睡もできませんでした.
練習として班を二つに分けて発表練習して互いに批判し合って袋叩きににするということをしました.TAの方と先生にも入ってもらい,ダメだししてもらいました.特にTAと先生の指摘は非常に勉強になりました.おかげでかなりまとまった発表ができました.
ダメ出しすることされることは非常に勉強になります.このようにダメ出ししあえる仲間とチームを組むのは非常に大事であり,このような関係を大事にしたいと思った1日でした.
翌日の朝日が昇る頃にはみんなテンションがおかしくなってきて謎の物理ギャグをぶちまけ合うという不気味な展開になったのも,いい思い出です.
手作りの水槽 水が噴き出しました笑 |
有効数字2桁というと精度が悪いと思われるかもしれませんが,この実験方式で精度を出すには水槽の高さを高くしなければならず,この期間中には不可能でした.有効数字2桁を出すだけでも,80cm程度は水の高さが必要だったのですが,実験室にあったのは50cmの円筒容器のみ.そこで,アクリル板を曲げて高さを延長しました.アクリル板の接合部が弱かったからか,水を入れた時にそこで噴き出して大変なことになりました.3人がかりビニールテープで縛り付けてどうにか実験しました.画面右上にあるのがフィゾーの光速測定装置をアレンジした光速度測定装置です(歯車ではなくて変調レーザー,検出はフォトダイオードに受光させてオシロスコープで読み取りました).そこから出た光は画面中央上に設置されているミラーで反射し,画面中央下にあるコーナーキューブプリズムという光の入射方向に平行な向きに反射させる特別な鏡です(日常的には自転車の反射板.ここで用いたのはもっと精度が良い).
ちなみに,有効数字2桁ってたいしたことないじゃんと思われるかもしれないですが,もしも有効数字をもう一つあげようと思うと水槽の高さを18mにしないといけません.これは実験室では無理です.尤も水槽を横に倒せば立てるよりは楽ですが赤いレーザーでは18mも光が届かないそうです.散乱によって減衰してしまうそうです.なので青などの直進性の強いレーザーを使わないとダメなようです.これはまた機会があればやってみたいです.
ちなみに指導教官は若い頃,まだ青色のレーザーがない頃,水ではないのですが灯油の光速度を測定したそうです.これは散乱の効果は無視できるそうですが,40Lの灯油を使ったそうです.怖いです.死と隣り合わせの実験ですね.
さて,水中の光速度を測定したあとはまずは後片付けをしました.
水槽の水を捨てるのはかなり面倒くさいので,サイフォンの原理を用いて,ホースを使って外に排水しました笑
サイフォンもできて,なんとなくお得感がありました.
引き続き,I.I.などの片付けをしましたが,あれだけお世話になったI.I.を片付けるときは非常に切なくなりました.
といっても,実験中に真ん中を焼いちゃって壊れちゃったんですけどね...200万円するらしいんですけど.もっとも,かなり古い機械だったらしいのでしょうがないと先生は言っていましたが.
それでもやはりお世話になった機械には愛着がわくものなんですね.
そのあとは,研究発表用のポスターとスライドを作りました.
もうそれは地獄です.
本当に徹夜でした.
しかし時間なさすぎて疲れたとかそういう感覚は失われていました.班員には徹夜慣れしていない人も少なからずいて,適宜仮眠をとりながらということでしたが,自分は前に立って発表することもあり,緊張と練習で次の日の発表が終わるまで一睡もできませんでした.
練習として班を二つに分けて発表練習して互いに批判し合って袋叩きににするということをしました.TAの方と先生にも入ってもらい,ダメだししてもらいました.特にTAと先生の指摘は非常に勉強になりました.おかげでかなりまとまった発表ができました.
ダメ出しすることされることは非常に勉強になります.このようにダメ出ししあえる仲間とチームを組むのは非常に大事であり,このような関係を大事にしたいと思った1日でした.
翌日の朝日が昇る頃にはみんなテンションがおかしくなってきて謎の物理ギャグをぶちまけ合うという不気味な展開になったのも,いい思い出です.
サマチャレ7日目!
サマチャレ7日目でした.今日の予定は
- 演習(5日目)
以上です笑.一日中実験していました.今日は主に私たちの共同実験班のクロスチェックを兼ねてフィゾーの光速実験の再現をするとともに水中での光速を測定し,そこから水の屈折率を割り出しました.と言っても簡単なことではなく.水漏れを起こして大急ぎでテープで補強したりと,それはそれで楽しかったです.副産物として,チンダル現象も拝むことができて感動しました.
すみませんが,明後日の朝から研究発表会があるので今日明日はおそらく徹夜で作業です.今日もすぐに作業に取り掛かるので,今回の更新はここまでとします.詳しいことはまた近日中に改めて書こうと思います.
サマチャレ6日目!
D.S.実験大詰め!
どうもこんばんは.サマチャレ6日目です.今日の内容は
- 講義(宇宙論)
- 演習(4日目)
です.いつもと同じ感じですね.今日は宇宙論に関しての話は感想を述べる程度にして演習についてたくさん書きます.
宇宙論の話では,一般相対論の式を使いながら宇宙膨張などの式を前で導出していただいたため,非常にわかりやすかったです.ビッグバン理論の妥当性と問題点を議論した後にその解決方としてインフレーションセオリーについても聞きました.インフレーションはインフレーションでも,old inflationとslow roll inflationの違いや,PLANKの宇宙背景放射のデータのフーリエコンポーネントをとって(全天球なので球面調和関数で展開する)その解析について教えていただきました.また最後には量子重力と宇宙論の関係を教えていただき,変更のEモードとB-モードからこれを予想する方法について聞きました.初めて聞く話が多く,非常に刺激的であるとともに,今後の勉強の課題を新しく得られました.
さて,演習4日目です.私の実験グループはある都合から,今回でダブルスリット実験を終わらし,解析しなくてはなりません.まだ昨日の段階で課題は山積みだったのですが今日できるだけのことをしてみました.
理論をつらつら書いても仕様がないので,軽く説明をします.今までのダブルスリット実験では何度も強調してきた通り光子一個も自分自身と干渉して干渉縞を作りました.ここで,書くスリットに互いに直行する成分を持つ偏光板を挿入します.すると,最終的に観測される光子の偏光状態を調べればどっちのスリットを通ったのか分かってしまいます(ただし実際に光子一個の偏光状態を考えるのは難しいと思います.特に今の実験道具では難しいです).さて,どっちのスリットを通ったのか分かってしまうと,先ほど述べた「両方のスリットを同時に通って自分自身と干渉する」ということが棄却されてしまいます.すると,なんとさっきまでは干渉縞が見えていたのにも関わらず,今度は干渉縞が消えてしまうのです!つまり,光子は干渉しませんでした!
一方で偏光板のついたダブルスリットを通した後に,再び偏光させることを考えます.今回は先に述べたようにダブルスリット通過後の光子は互いに直交しているので,第二の偏光板ではそれら二つの角に対して45度の傾きに偏光するように調整します.つまり,どちらのスリットを通った光子であっても,二枚目の偏光板をとった段階で同じ偏光状態になってしまいます.つまり2枚目の偏光板を通過してしまったら,どちらのスリットをとったのか再び区別できなくなってしまいます.するとどんな観測結果が得られるでしょうか?
そうです.再び干渉縞は現れます.
量子力学に触れたことのない人は混乱するでしょうが,これは量子力学の基礎をなす非常に重要なところです.なぜ干渉縞が消えたりついたりするのかはここでは説明しません.それについてはまたサマチャレが終わってからゆっくり記事を書いていきます.
さて,今回まで行き詰まっていたのは偏光板付きのダブルスリットで実験するといずれの時も干渉縞が観測できなかったところです.
これの原因は主に貼り付けた偏光板がずれていて,各スリットで別の偏光状態になっていたことでした.聞けば簡単なことだと思うかもしれませんが,これは非常に難しいです.スリットは髪の毛の太さもないくらいに細い切れ込みで,ダブルスリットではこれが200μm間隔で並んでいます.これを顕微鏡で見ながら手作業で偏光板を貼っていきます.これは神業です.これを手で作るこの方法を開発したのは今回指導してくださっている先生で,日本で3人しか習得していない技術だそうです.無論,こんなことを不器用な私ができるわけもなく... 同じ実験班の仲間に頼みました(彼の通称は”職人”,本当に神業のような仕事をしてくれます.)私はその間,画像積分器の調整などをしていました.”職人”の凄まじい努力と先生の協力もあって,なんとか干渉縞を得ることができました.いかがそれらの写真と画像です.
これはビームを入射した時(古典論が成立する)の干渉縞です. 500フレーム積分してます.ヒストグラムが綺麗に干渉を示しています. |
シングルフォトンについての干渉縞です.二重に偏光板を通したため, 光量は0.25%にも減少されてしまいます.これを捉えるのには非常に苦労 しましたが,この写真のように綺麗な干渉縞が得られました. |
上の写真はダブルスリットに偏光板をつけた時に
光子が蓄積していく様子です.ランダムに点が生じるのに
干渉縞ができていく様子がよく見えます.
一方こちらは光をビームで入射した時に偏光板を動かすと
スリットの両偏光板に対して45度の角度の時に縞が見え,
どちらかに平行かつもう一方に垂直の時は縞が消えることが確認できます.
明日からはこれらの結果を解析して光子に対する事実を議論して理論との整合性を吟味するのと並行して,フィゾーの光速実験の再現実験をして,光速を測定したいと思います.
2016年8月22日月曜日
サマチャレ5日目
J-PARKツアー!...しかし
どうもこんばんは.本日はサマーチャレンジ5日目でした.さて,本日の内容は...
これはこれで,また帰宅してから一人で遊びます.
COMET実験では,簡単に言うと今の所実験結果をすべて説明する理論であるStandardModel(標準理論)で予想されていたフレーバーの保存の破れを証明する実験を行っています.これは標準理論を超えた新しい物理学を見つけるための実験です.背景としてはスパーシンメトリーの理論などから,フレーバーの破れは予想されているらしく,これらの新理論の妥当性を調べる実験であるとも言えます.ここでは,ミューオン-電子転換事象という現象の確認をすることで破れを証明しようとしています.
次に,二つめの見学場所,MLF(物質・生命科学実験施設)です.こちらでは主に中性子とミューオンを用いた物質構造解析などが行われているそうです.中性子は,ミューオンなどは原子などの構造を見るのに適した「光」だからです.例えば,たんぱく質の構造解析や地球の内部構造の推定,江戸時代の小判の評価,新素材の開発などが行わており,研究テーマは多岐にわたります.それぞれ,非常に興味深い内容でとても楽しかったです.
このようになんだかんだで充実したツアーでした.残念な思いもありますが,またの機会があることを楽しみにしておきます.
どうもこんばんは.本日はサマーチャレンジ5日目でした.さて,本日の内容は...
- J-PARKツアー
- キャリアビルディング
です.昨日も書いた通り,本日は待ちに待ったJ-PARK見学でした!J-PARKは大強度陽子加速器があるKEKの施設です.場所は東海村で,KEKからバスで1時間半くらいかけて朝から出発しました.はい,バスの中ではみんな興奮していました.みんな楽しみにしていたJ-PARKです.しかし,天は私たちに味方してくれませんでした.皆さんご存知の方もいると思いますが本日,台風9号が関東に上陸しました.御察しの通り,このツアーも途中で中止になってしまい,予定されていた全ての施設を回ることができませんでした...
このことを書いているだけでまた憤りを感じてきます笑
ちなみに帰りのバスでやろうと思っていたクォーク・マター・カードゲームというハイセンスなゲームもテンションが下がったためにやらずじまいでした.
クォーク・マター・カードゲーム |
QCD(量子色力学)に基づいていますが,まだ3種類しかない!笑 チャームクォーク以降はまだ発見されていなかったのかなあ. |
レプトンもあるよ笑 |
β崩壊もできちゃうよ. |
さて,本命のJ-PARKツアーですが,今回行く予定だったのは,ハドロン実験施設,MLF,ニュートリノ実験施設でした.
なかでも今回残念ながら見学することができなかったのが,ニュートリノ実験施設です.これはこないだ梶田先生がノーベル賞を受賞された時ニュートリノ振動の証明を行う実験,T2K実験の舞台となった場所です.これは加速器のメインリングで発生したニュートリノを東海から発射して,スーパーカミオカンデで検出するというものです.Toukai to KamiokaでT2Kです.これはサマチャレの1日目に梶田先生の講義を聞いたこともあってぜひ見たかったのですが...また見れる機会があればいいな...
さて,結局のネタばらしをしたところで,実際に見た施設を紹介します.
ちなみに,J-PARKの入館は非常に厳しく,一人ひとり身分証の確認などを行ったのち,バスで構内に入っていくのですが,各施設外,すなわち構内の道などに関しては一切写真撮影禁止.また,入り口も障害物がジグザグにおいてあり,大型車はゆっくり通らないと通れないようになっていました.バスの運転手さんの神業テクニックも見ることができました.研究棟についたら各施設の説明と安全管理についての説明を受けた後,お弁当を食べました.おべんとうはすごく豪華でした.ハンバーグとトンカツという,各々がメイン張れるおかずが共存していました笑
さて,その後はハドロン実験施設です.安全用のヘルメットをかぶり,いざ施設へ!というわけには行かず,放射線管理区域ですので靴を履き替えて,服の上から黄衣を装着します.
この後は通称ハドロンホールと言われる場所で様々な説明を受けました.以下の写真は建設中のCOMET実験の装置の写真です.見れるのは今だけだそうです.
なかでも今回残念ながら見学することができなかったのが,ニュートリノ実験施設です.これはこないだ梶田先生がノーベル賞を受賞された時ニュートリノ振動の証明を行う実験,T2K実験の舞台となった場所です.これは加速器のメインリングで発生したニュートリノを東海から発射して,スーパーカミオカンデで検出するというものです.Toukai to KamiokaでT2Kです.これはサマチャレの1日目に梶田先生の講義を聞いたこともあってぜひ見たかったのですが...また見れる機会があればいいな...
さて,結局のネタばらしをしたところで,実際に見た施設を紹介します.
ちなみに,J-PARKの入館は非常に厳しく,一人ひとり身分証の確認などを行ったのち,バスで構内に入っていくのですが,各施設外,すなわち構内の道などに関しては一切写真撮影禁止.また,入り口も障害物がジグザグにおいてあり,大型車はゆっくり通らないと通れないようになっていました.バスの運転手さんの神業テクニックも見ることができました.研究棟についたら各施設の説明と安全管理についての説明を受けた後,お弁当を食べました.おべんとうはすごく豪華でした.ハンバーグとトンカツという,各々がメイン張れるおかずが共存していました笑
さて,その後はハドロン実験施設です.安全用のヘルメットをかぶり,いざ施設へ!というわけには行かず,放射線管理区域ですので靴を履き替えて,服の上から黄衣を装着します.
放射線管理区域用の靴 |
ミューオンの出口 |
ビームラインの一部 |
また,ハドロンホールの反対側の施設も見ましたので写真を載せておきます.こちらでも,非常に魅力的な研究が行われていました.
青いやつは「ドラえもん」と呼ばれているそうです. |
近くで見るとおびただしい計器が見えます. |
中性子の発射口とビームラインです. |
館内は冷房がなく,非常に暑かったです. しかし安全のため,長袖が義務付けられています. 写真は放射線をブロックする防護壁を建設中です. |
ミューオンのビームラインです. |
このようになんだかんだで充実したツアーでした.残念な思いもありますが,またの機会があることを楽しみにしておきます.
今日は長くなってきたのでこの辺で終わりにしましょう.
また明日も更新する予定です.よかったら見てください.
2016年8月21日日曜日
サマチャレ4日目!
疲れてきた4日目
本日はサマチャレ4日目です.今日の内容も昨日と似ていて,
本日はサマチャレ4日目です.今日の内容も昨日と似ていて,
- 講義(原子核)
- 演習(3日目)
です.なので今日は話題を変えて,これらの以外の時間をどう過ごしているかについて書きたいと思います.
昨日から,演習は事務局が閉まる9時までは続行して良いことになったので,良いことになったので,1時から始まって8時間くらいは実験して良いことになります.これは学部の学生実験に比べても長いですし,毎日同じテーマで実験をするのですが,学生実験と違って飽きません.楽しいです.やはり自主的に実験を計画できるからでしょうか.
さて,こんな感じで毎回9時くらいまでは残るのですが,KEKの食堂は8時に閉まってしまいます.なので,ご飯を食べる人は実験中に交代して食べに行くのですが,私は家から全日程分のカップラーメンを家から持ってきたので(荷物の中はほとんどカップラーメンだった.着替えよりも体積をとる.)私は実験が終了してからドミトリーに戻って食べています.それからはすぐ寝る人もいれば,もう一度班で集まって議論をする人たちもいるようです.私の班は私以外すぐ寝るみたいなので,ご飯を食べたあとは一人で実験の解析を行います.ひと段落したら休憩がてらにこのブログを更新します.もっとも,なんだかんだでたくさん書いてしまうのであんまり休憩にはならないですけど.
ブログの更新が終わり次第,再び実験の解析を行います.これが何時に終わるかはその日次第ですが,だいたい12時くらいにシャワーを浴びに行きます.男性の部屋にはトイレ・バス無しなので,ドミトリーの反対側まで歩いてシャワーを浴びに行きます.正直めんどくさいですが,これを怠ると文化水準が一気に落ちるので頑張ります.
その後は次の日の予習や解析の続きを行います。しかし、次の日も朝から授業があるので寝過ごしてはまずいということもあり、寝落ちしたとき用に目覚ましはたくさんかけておきます笑
また、3日にいっぺんくらい洗濯をします。ドミトリーには十分洗濯機があるにもかかわらず、なかなか空かないので深夜にならないと使えません。というか、深夜になったところで大概の人は乾燥機・洗濯機に服を置きっぱにしてるのでなかなか使えなくて困りました.まあ,そういったところで自分も2時くらいに乾燥機かけて3時くらいにとり出さなきゃと思ってたら結局寝落ちして5時になっていて急いで取りに行きました.他の人に迷惑かけちゃったかなあ.
そんなこんなでサマチャレ期間中は各班かなり遅くまで議論しているようです.洗濯に行ったのが2時でしたが,ランドリーの横の会議室でまだ議論している班が!半分くらいの人はすでに浴衣(ドミトリーに備え付けられている)でしたが...笑
自分もあんまり寝てないです.というか,なんでかわからないけど眠くならないです.この体力を普段から発揮できればいいのになあと思います.
サマチャレではみんなそれなりに自分の意見を持っていてかなり議論は白熱します.うちの大学もそうなればいいのになあ.まあふっかけてもあんまり議論に乗ってくれないのが現状ですけど...
とにかく,この期間中に議論できる友だちがたくさん欲しいと思っている,サマチャレ4日目でした.
明日はJ-PARKに行ってきます.写真など,楽しみにしていてください.本日はこれで終わります.
その後は次の日の予習や解析の続きを行います。しかし、次の日も朝から授業があるので寝過ごしてはまずいということもあり、寝落ちしたとき用に目覚ましはたくさんかけておきます笑
また、3日にいっぺんくらい洗濯をします。ドミトリーには十分洗濯機があるにもかかわらず、なかなか空かないので深夜にならないと使えません。というか、深夜になったところで大概の人は乾燥機・洗濯機に服を置きっぱにしてるのでなかなか使えなくて困りました.まあ,そういったところで自分も2時くらいに乾燥機かけて3時くらいにとり出さなきゃと思ってたら結局寝落ちして5時になっていて急いで取りに行きました.他の人に迷惑かけちゃったかなあ.
そんなこんなでサマチャレ期間中は各班かなり遅くまで議論しているようです.洗濯に行ったのが2時でしたが,ランドリーの横の会議室でまだ議論している班が!半分くらいの人はすでに浴衣(ドミトリーに備え付けられている)でしたが...笑
自分もあんまり寝てないです.というか,なんでかわからないけど眠くならないです.この体力を普段から発揮できればいいのになあと思います.
サマチャレではみんなそれなりに自分の意見を持っていてかなり議論は白熱します.うちの大学もそうなればいいのになあ.まあふっかけてもあんまり議論に乗ってくれないのが現状ですけど...
とにかく,この期間中に議論できる友だちがたくさん欲しいと思っている,サマチャレ4日目でした.
明日はJ-PARKに行ってきます.写真など,楽しみにしていてください.本日はこれで終わります.
2016年8月20日土曜日
サマチャレ3日目!
素粒子論の講義来る!
今日はサマチャレ3日目でした.本日の内容は
上の写真の5mmのスリットを光電面に貼り付け,ゲートを開けっぱなしで干渉もさせないという,一様に明るい画面を作り出し,スリットの像を画面に映した.その写真が下です.
画面のスリットの大きさを定規で測り,5mmのスリットが何倍に拡大されたのかを調べることで画面から干渉縞の大きさを評価しました.
今日はサマチャレ3日目でした.本日の内容は
- 講義(素粒子)
- 演習(2日目)
です.はい,なんか質素になってきましたね....その分濃い1日を送っています.特に今日は演習も3時間近く延長して実験しました.それでもまだやることは多いのでもっと時間が欲しいです.といっても,空き時間がないと解析に集中できないのできり替えができて良いのですけど...
素粒子論の講義
さて,今日の講義の内容に関しては深く書かないことにします.理由は今日は素粒子の講義なので,対称性と保存則についてやLagrangianを不変にする変換とゲージ原理など,解説しだすときりがない上に,いまいち自分も自信をもって分かっているとは言えない内容だからです.ただ,素粒子が発見されてきた歴史やStandard Modelを構築するまでの人類の歴史など,あまりまとまって聞く機会の内容も多く,楽しかったです.その上,Higgs粒子に関しての説明も充実していて,未解明の部分や,これから検証される部分を含めて夢のある話を聞かせていただきました.最後には(もちろん)ILCの宣伝と展望を聞かせていただきました.講義後,ついついILCのTシャツを買っちゃいました(笑)
演習2日目
素粒子論の講義
さて,今日の講義の内容に関しては深く書かないことにします.理由は今日は素粒子の講義なので,対称性と保存則についてやLagrangianを不変にする変換とゲージ原理など,解説しだすときりがない上に,いまいち自分も自信をもって分かっているとは言えない内容だからです.ただ,素粒子が発見されてきた歴史やStandard Modelを構築するまでの人類の歴史など,あまりまとまって聞く機会の内容も多く,楽しかったです.その上,Higgs粒子に関しての説明も充実していて,未解明の部分や,これから検証される部分を含めて夢のある話を聞かせていただきました.最後には(もちろん)ILCの宣伝と展望を聞かせていただきました.講義後,ついついILCのTシャツを買っちゃいました(笑)
これと一緒にCP violationのやつも買っちゃいました(笑) |
演習2日目
今日も昨日に引き続きダブルスリットについての実験を行いました.昨日は主にセットアップに主眼を置いていましたが,今日はphotonの粒子性と波動性の検証を主に行いました.つまり,Single photonと見なせる時であっても波動性のために自分自身と干渉するという量子力学の原理を検証したわけです.
まず,single photonであるかどうかを検証するために次のようなことをしました.LEDのゲートの周期がほぼ測定の1フレームに等しかったので,1フレームだけ感光させました.その時の写真が次のものです.
今回の機材ではパソコンに取り込める形のデータにするだけの設備がなかったため,ここからが非常に古典的なのですが,このPhotonの数を数えました.しかし,以外と数えられる数で,97個でした.この時の時間が33msなので装置の性能である光子の損失10%であることを踏まえると,一秒間に光子は
\[
\frac{97}{33\times10^{-3}}\times 10=2.9\times10^4[s^{-1}]
\]の割合で通り抜けます.一方,光子が通り抜ける筒の大きさは1.523[m]であるから,光子が筒を通り抜けるのに要する時間は \[ \frac{1.523}{3.0\times10^{8}}=5.1\times10^{-9}[s] \]です.ある光子が筒を通り抜ける間に平均何個の光子が検出されるかというと,\[ 2.9\times10^4[s^{-1}]\times5.1\times10^{-9}[s] =1.5\times10^{-4}\]個である.これより,複数の光子がとっていることはないと考えられる.よって,観測結果はsinge photon であると結論できる.ちなみにもっと強力な光を入射すると以下の写真のようになる.
このように1フレームに関わらず,光は連続的に分布している.このような時は画面の光子数が非常に大きいため,複数の光子が同時に通っており,通常の波のように振る舞います.これらの干渉縞の間隔を測って理論値と比較したところ,光がsingle photonの時も,光線である時も同じように振る舞うことがわかりました.このことから光がsongle photonの時も波であり,粒子であることは理解出来るます.さらにそれは,光線の時と同じ干渉縞の間隔なので,光線であっても一つ一つのphotonが上干渉されていると考えらえるます.しかし実際には複数の光子系の干渉問題なので,もっと複雑に干渉していてもよさそうな気もします.これは明日以降の課題としたいです.
これなら数えられそうです. |
1フレームの写真 |
ちなみにスクリーンから実際の干渉縞の間隔を出すために次のようなことをしました.
5mmのスリット |
変な色をしているのは解像度のせいかな... |
他にも測定結果から緑色の発光ダイオードの発光原理に関する事実に関しての発見などもあって面白かったが,今日は長くなったのでここで終わりにします.
2016年8月19日金曜日
サマチャレ2日目!
演習始まる!
今日はサマチャレ2日目でした.本日の内容は
今日はサマチャレ2日目でした.本日の内容は
- 共通講義(物質・生命,放射線,誤差)
- 演習(初日)
- 懇親会
でした.共通講義の内容は長くなりそうなのでさらっと書きます.
共通講義
まず,物質・生命の講義では主に水素が私たちの社会とどのように関わっているかということを述べた上で,水素社会を作る上で必要な技術の基礎研究として現場では何が行われているのかといった内容でした.レエジュメに参照論文のリンクを貼っていただいていたので非常に助かりました.特にあまり見たことのない状態密度のグラフを見たのでしっかり論文もフォローしたいです.また,高エネルギー物理との関連では物質の構造を「見る」上で加速器の放射光から様々な波長領域の光を利用するといったお話を聞きました.
次に,放射線の講義ではそもそも放射線や放射能とは何かといった話から,医学的,社会的な見地からも放射線のリスクとそのリスクマネジメントについてお話を聞きました.しかしこのことに関しては誤解などを生じる可能性を考えて専門家ではない私がこの場で放射線に関する発言をすることは避けます.
誤差に関する講義では統計的誤差の基本的な概念を教わりました.学部の授業でも少し誤差については習いましたが,得るものは多かったです.特にポアソン分布の扱いに関してはかなり丁寧に扱っていただき,とてもためになりました.正規分布も中心極限定理にポアソン分布も二項分布の極限として導入されていたことも非常にすっきりしました.今回最もためになったのは,実験で得られた分布を壊さないように処理していくということです.分かってしまえば当たり前のことだったんですが,諸概念がごっちゃになっていたため,正しく理解していないところが多かったです.この講義はこれから非常に役に立ちそうです!また,「新粒子の発見」の統計的な見地についての話も丁寧に解説してくださりました.
総じて得るものの多い共通講義でした.
演習
今日からついに演習が始まりました.私のテーマはphotonです.担当は名古屋大学のF研の方々で,非常に丁寧にご教授いただいています.今日は,有名な朝永振一郎氏の「光子の裁判」の実証を行いました.簡単に仕組みを書くと光子をダブルスリットで干渉させ光電子増倍管で増幅したのち,再び光子に変換してCCDセンサーで検出するというものです.ここで光源をどんどん弱くしていったのち,Single Photonとして検出されるように調整するものです.
さて,このブログの読者の方にはあまり上の話の面白さがわからない方もいらっしゃると思うので「光子の裁判」の実験について少し解説します.
波を干渉させた図.放射状に広がった線が見えるのが特徴でこれは波の性質です. 参照:wikipedia 干渉 |
干渉縞(上のものをスクリーンに映した図) 参照URL:http://homepage2.nifty.com/einstein/contents/relativity/contents/relativity307.html |
簡単に言うと,二つのスリットを通って広がった光は干渉します.これは二つの光の波が干渉しているのでちょうど上の写真(下)のように縞が見えます.さて,これは二つの波を干渉させているのだから当たり前といえば当たり前です.ここで,量子力学によると光は波と粒子の両方の性質を持っていて,一つの光子であっても,これは二つのスリットを同時に通り抜けて,自分自身と干渉します.ということで,光子一個一個をスリットに入れても最終的には干渉縞が得られるということです.その実験を本日はしました.いかがその写真です.
明日も引き続きこの実験を続けていきます.特に偏向板を挟んで,「観測」することで干渉縞がどう変化するのかを試してみます.また,最終日までにSinglePhotonに対して光速度測定できたらいいな(野望).これはまだ考え中なので実現は不可能かもしれませんが...
懇親会については今日は長くなったので省略します.
明日も実験,講義ともに頑張ります!
実験装置.組み立ての際,ネジのがめっちゃ多かったです. ネジのとめ方も,厳しく指導していただきました... |
実際に得られた干渉縞.SingePhotonでもちゃんと干渉縞が得られました. |
明日も引き続きこの実験を続けていきます.特に偏向板を挟んで,「観測」することで干渉縞がどう変化するのかを試してみます.また,最終日までにSinglePhotonに対して光速度測定できたらいいな(野望).これはまだ考え中なので実現は不可能かもしれませんが...
懇親会については今日は長くなったので省略します.
明日も実験,講義ともに頑張ります!
2016年8月18日木曜日
サマチャレ1日目!
サマーチャレンジはじまる!
いよいよサマーチャレンジ1日目が始まりました.今日は盛りだくさんの内容だったので長くなってしまいそうです.今日の主なコンテンツは以下の通り.
いよいよサマーチャレンジ1日目が始まりました.今日は盛りだくさんの内容だったので長くなってしまいそうです.今日の主なコンテンツは以下の通り.
- 機構長のお話
- 梶田さんの講演「ニュートリノ振動の発見」
- 増澤先生(KEK)の講義「加速器入門」
- つくばの研究施設ツアー
あまり多くを語ることは不可能なので概略を書こうと思います.
山内機構長のお話
主に加速器の役割についてのお話でした.加速器には大まかには2つの役割があり,一つは宇宙の起源についての研究,もう一つは物質の構造を解き明かす研究であるとのことです.
前者は高いエネルギー領域を作り出すことで未知の領域に踏み込み,初期宇宙で支配的だった物理法則を研究することで,宇宙の起源そのものに迫ろうとする試みです.一方後者は加速の過程で生じる放射光などを,微細な構造を見るための「光」として用いて様々な物質の構造の理解,機能の理解を目指す流れです.こちらは新技術・製品の開発に重要でなんでも最近はチョコレートの構造解析をして,美味しいチョコレートの構造なども研究されたとか...
以上の話も大変ためになるものでしたが,私にとって一番心にきたのは,「何よりも楽しんで研究してください」の一言です.煮詰まってきたり,焦ったりすると必死になりすぎて楽しむことを忘れてしまいがちですが,科学は楽しむものであるという本質的なことに改めて気付かされました.
ニュートリノ振動の発見
2015年度にノーベル賞を受賞された梶田先生による講演がありました.テーマはニュートリノ振動の発見というもので,先生がD論を書く前後の研究のころからニュートリノ振動という現象の発見に至るまでのお話でした.
最初,陽子崩壊を研究されていた先生は,この陽子崩壊を確認することはできなかったものの,その解析の時に大気ニュートリノのうちμニュートリノが電子ニュートリノよりも圧倒的に少ないことに気付いたそうです.
この時に,この現象を見て見ぬ振りをせず原因を突き詰めようとしたことがニュートリノ振動の発見につながったのだと振り返られておりました.先生の話を聞くと,多くの人が信じているからといってそれが正しいとは限らないということがよくわかりましたが,同時に何を信じていいのか分からない大変さが伝わってきました.
ご自身が発見までの過程を語るということはあまり経験できることではなく,非常に刺激的な講演でした.
加速器入門
共通講義の第一回目のテーマは加速器入門でした.そもそも,学部,またはそれ以前の授業で「加速器」についての勉強をすることはほとんどありませんでした.強いて言うなれば,大学入試の物理でおなじみのサイクロントロンとベータトロンの問題を解いことぐらいでしょうか.
この講義ではまず加速器全体の発展の歴史を追う形で授業が始まりました.Cockcroft-Walton加速器などの静電型の加速器から現代のシンクロトロンのコライダーに至るまでの歴史を丁寧に追っていて,人類の苦労の過程を知ることができました.また,位相安定性原理や強収束の原理のなどの理論的なバックグラウンドの説明もあり,シンクロトロンを成り立たせているものについて知ることができました.そのため,この後のSuperKEKBの見学がわかり易かったです.(加速器に関してKEKのサイトを参考にしてください:https://ilc.kek.jp/Lectures/TakataAcc.pdf)
つくばツアー
主にはPhoton Factory,SuperKEKBとBelle2の施設見学をしました.施設間はバスで移動だったので楽でしたが,ただの路線バスを貸し切っていたため早く乗らないと座ることができないという悲劇が起こりました.いやいや,バスに乗れただけ本当にありがたいです.また,施設内は非常に広く結構歩きました.しかし,万歩計などは持っていなかったので定量的な議論はできないことをお許しください.とにかく,疲れました.荷物はドミトリーに置いてくるべきだった...トイレ休憩もなかったので結構大変でしたがこれらの困難を微塵も感じさせない素晴らしさでした.写真を見るのと実際に目で見るのでは迫力が違うのはもちろん,手作り感溢れる箇所なども目に止まり人が作ったものであることを実感しました(当たり前だけど).自分もここに関われたら楽しいだろうなと思いました.
施設の説明は長くなりすぎるので何枚か写真を添付して終わります.
SuperKEKB
6極電磁石.色収差を補正するような役割があるそうです. |
Belle2
上から.メンテナンス中で中で人が作業しています. |
下から.大きいです.隣に人が写っています.でもBelle2でこれならATLASって... |
最後まで読んでくださった方,ありがとうございます.興奮気味だったので長々書いてしまいました.では,今日はこの辺で.また明日も更新します(多分).よかったらみてください.
2016年8月17日水曜日
サマーチャレンジ0日目来る!
サマーチャレンジ0日目来る!
明日よりKEK(高エネルギー加速器研究機構)で2016年度サマーチャレンジが始まります.今回は私もこの企画に学生として参加することになったので,これをきっかけにこのブログを立ち上げます!
本日は受付を済ましドミトリーに入りました.
非常に綺麗な個室です.デスクもあり(当然といえば当然),明日の準備などもはかどります.
目覚まし時計が置いてあるのは私にとってはありがたい限りです.
ただ,非常に困っているのはトイレが部屋にないことです.噂では女性の部屋にはトイレ・バスが付いているとのことですが,男性は共用となっております.私がいるフロアは目測では20人ほどいます.(一番はじの部屋番号が1-20だった!)さて,そこに個室のトイレはいくつあったか?2つです!倍率10倍だと...どこぞの国立大学に入る方が簡単ではないか!明日の朝はトイレをめぐって激しい戦いが繰り広げられるのは必至でしょう...
トイレの文句はこの辺にしておきましょう.
さて,ここへ来てまだほんの数時間ですが,たくさんの人と喋りました.この企画では他大学の人も全国から来ていて非常に刺激的です.今日は各大学のいろいろなローカルな話を聞きました.特に学食の値段は大学によってまちまちで,非常に面白い話題でした.(国立が安いとは限らないみたいです.そして一番高かったのは本日食べたKEKの定食でした笑.いやでも値段なだけあってとても美味しかったです!!)
さて,明日は梶田先生がKEKにいらっしゃって,ニュートリノ振動に関する講演を行ってくださいます.非常に楽しみです.
こんな調子でサマチャレ期間中は毎日更新しようと思いますので,気になっている学部学生さん,高専生さんいらっしゃいましたら見てみてください!
明日よりKEK(高エネルギー加速器研究機構)で2016年度サマーチャレンジが始まります.今回は私もこの企画に学生として参加することになったので,これをきっかけにこのブログを立ち上げます!
本日は受付を済ましドミトリーに入りました.
非常に綺麗な個室です.デスクもあり(当然といえば当然),明日の準備などもはかどります.
目覚まし時計が置いてあるのは私にとってはありがたい限りです.
ただ,非常に困っているのはトイレが部屋にないことです.噂では女性の部屋にはトイレ・バスが付いているとのことですが,男性は共用となっております.私がいるフロアは目測では20人ほどいます.(一番はじの部屋番号が1-20だった!)さて,そこに個室のトイレはいくつあったか?2つです!倍率10倍だと...どこぞの国立大学に入る方が簡単ではないか!明日の朝はトイレをめぐって激しい戦いが繰り広げられるのは必至でしょう...
トイレの文句はこの辺にしておきましょう.
さて,ここへ来てまだほんの数時間ですが,たくさんの人と喋りました.この企画では他大学の人も全国から来ていて非常に刺激的です.今日は各大学のいろいろなローカルな話を聞きました.特に学食の値段は大学によってまちまちで,非常に面白い話題でした.(国立が安いとは限らないみたいです.そして一番高かったのは本日食べたKEKの定食でした笑.いやでも値段なだけあってとても美味しかったです!!)
さて,明日は梶田先生がKEKにいらっしゃって,ニュートリノ振動に関する講演を行ってくださいます.非常に楽しみです.
こんな調子でサマチャレ期間中は毎日更新しようと思いますので,気になっている学部学生さん,高専生さんいらっしゃいましたら見てみてください!
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